大塚明夫「この世界で泳いでいたい」 山寺宏一「全て傑作、全て名作」プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX『スプーンの盾』【インタビュー】
大塚明夫「この世界で泳いでいたい」 山寺宏一「全て傑作、全て名作」プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX『スプーンの盾』【インタビュー】 2/2
-本公演で気になる出演者はいますか。 大塚 僕がタレーランをやる回で、諏訪部(順一)がナポレオンで、カレームが安元(洋貴)なんだよね。 山寺 安元くんがあの野太い声でカレームもやるんだ。 大塚 だから、どうやるんだろうと思って、今からワクワクしています。 山寺 その回は見に行こうかな(笑)。僕はミュージカルで活躍されている吉野圭吾さんと共演できるのも楽しみですし、共演はできないですけど、濱田めぐみさんが出演されるというのでびっくりしました。お二人とも歌わない、踊らないのはもったいない(笑)。 -長年、多くの作品で共演されてきたお二人ですが、お互いについて感じる役者としての魅力や印象を教えてください。 大塚 僕が山ちゃんに感じるのは、変幻自在にキャラクターを操作できることと、使える音の幅の広さです。同じ音階でもその音色を全部変えることができて、総がかりで紡いでくる。強弱、高い低い、それからテンポとかを全部持っていて、それをあらゆる手段で紡ぎ出していくという、すごみと言うのか…そこがたまらなくすてきです。 山寺 ありがとうございます(笑)。 僕が明夫さんのここがどうとか言うのは本当におこがましいんですけど。 大塚 いや、別に良いところだけ言ってくれれば(笑)。 山寺 持っている声にしても演技にしてもその深みとか説得力をどうやって生み出しているのかと。もちろん本を読む力、役を捉える力もそうなんでしょうけど、そこから発せられる言葉に説得力が本当にある。何も考えてないのかもしれないですけど、もう全てを分かったかのような感じがあります。 大塚 天才ってこと?(笑)。 山寺 (笑)。しゃべったらもう芝居になるじゃないですけど、そのためには本を読み込んで考えて、普段から感性を磨いていると思うんですが、余裕を感じます。あとは色気です。年を重ねてますますですけど、出会った時から声に色気を持っていて、すごいなと思っています。 -料理をテーマとした本作にちなんで、好きな食べ物や料理を教えてください。 大塚 僕のXを見ると分かると思いますけど、お寿司かラーメンしか上がってない(笑)。二大好物です。 山寺 僕は…フレンチです(笑)、この作品にちなんで! 本格的なフレンチなんてそんなに食べたことはないですけど、上野にある、この作品とコラボしているフランス料理店・ブラッスリーレカンさんで昨年、『スプーンの盾』コースをいただいたんですけど、こんな贅沢があるのかと本当に感動しました。 大塚 今回もコラボコースがあるんだよね。 山寺 そうなんです。台本をしっかり読み込んだシェフたちがこの作品のイメージで作ったものを食べることができて、いろんな意味で感動しました。ファンの方々にも公演と合わせて絶対に行ってほしいです。 -最後に、読者にメッセージをお願いします。 大塚 朗読劇ということで敬遠されている方もいらっしゃると思いますが、朗読劇だと思わずに、生の音楽にセリフも乗っかっているぐらいのつもりで1回来ていただければと思います。今までご覧になっていただいた方も大歓迎ですし、まだこの音楽朗読劇を見たことがない方には、今までのシンプルな朗読劇とは違うエンターテインメント性を感じていただけるんじゃないかと思います。 山寺 今回、久々に台本を読んでみても心がやっぱり震えて、この作品を早くみんなに届けたいと思いました。自分が感動してお客さんにそれを伝えられなかったら意味がないので、 精一杯頑張ります。僕以外にもたくさんの方が出演されていますし、絶対に良いものをお届けできる自信があるので、ぜひ僕が出演する回も見ていただけたらうれしいです(笑)。 (取材・文・写真/櫻井宏充) プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX『スプーンの盾』は、2024年12月28日・29日に大阪・サンケイホールブリーゼ、2025年1月4日~30日に都内・シアタークリエで上演。