エースだった細谷は2戦連続ベンチ外、小久保や藤田は招集されず。パリ五輪組に突き付けられた厳しい現実。東京五輪世代が中心の森保ジャパンに食い込むのは容易ではない【コラム】
三笘は「引っ張らないといけない立場」
日本代表は北中米ワールドカップのアジア最終予選で連勝スタートを切った。9月5日に埼玉スタジアム2002で中国を7-0、10日に敵地でバーレーンに5-0と大勝を収めている。 【PHOTO】キュートな新ユニ姿を披露!日本代表戦中継に華を添えた影山優佳を特集! 今回の日本代表のメンバー27人で、今夏のパリ五輪に出場した選手で選出されたのは、FW細谷真大(柏レイソル)とDF高井幸大(川崎フロンターレ)の2人のみ。フランスの地で躍動したGK小久保玲央ブライアンやMF藤田譲瑠チマ(ともにシント=トロイデン)らは選ばれなかった。 小久保はベルギーに移籍したばかりという状況も考慮された可能性もあるが、現状では鈴木彩艶(パルマ)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、谷晃生(FC町田ゼルビア)の東京五輪出場トリオの方が上という判断だろう。 藤田にしても、鉄板の遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティング)に加え、3番手に田中碧(リーズ)がいて、鎌田大地(クリスタル・パレス)や旗手怜央(セルティック)もプレーできるボランチの争いに割って入るのは簡単ではない。タイプが違うだけに今後の招集は考えられるが、十分な出場時間を得るのはなかなかハードルが高い。 五輪代表でエースだった細谷は、アジアカップ以来のA代表入りを果たしたものの、中国戦もバーレーン戦もベンチから外れた。ストライカー争いで、上田綺世(フェイエノールト)、小川航基(NEC)、浅野拓磨(マジョルカ)よりも序列が下なのは明白だ。 一方、五輪で評価を上げた高井は中国戦で71分から板倉と交代でピッチに立ち、20歳の誕生日の翌日に代表デビューを飾った。余裕のある展開で、戦術的なものではなく、経験を積ませるための起用だったのは明白だが、それだけ森保一監督が期待しているということだろう。 だた、今回はいずれも怪我で招集外となった冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(バイエルン)、橋岡大樹(ルートン)らが戻ってきた時にメンバー入りできるかは疑問だ。 今回の森保ジャパンのメンバーのうち、先に挙げたGK3人に加え、板倉滉(ボルシアMG)、町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)、中山雄太(町田)、田中、旗手、久保建英(レアル・ソシエダ)、堂安律(フライブルク)、三笘薫(ブライトン)、前田大然(セルティック)、上田、そしてオーバーエイジの遠藤と半数以上の14人が東京五輪に出場。菅原由勢(サウサンプトン)、小川、中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)も同世代だ。 バーレーン戦後、三笘はその東京五輪世代について、こう語っている。 「僕らもワールドカップを1回経験して、リーグでも色々な高いところでプレーしているので。引っ張らないといけない立場なので。そこを全員が自覚していけば、よりチームも強固になると思います」 この東京五輪組にパリ五輪世代が食い込んで行くのは、現状では容易ではない。 取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)
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