代表へのリンクを考えた細貝萌のヘルタ・ベルリン移籍
移籍を決意したのは今年4月
ブンデスリーガのレバークーゼンからヘルタ・ベルリンへの完全移籍が決まったMF細貝萌が21日、都内で記者会見を行った。来シーズンの欧州チャンピオンズリーグ出場を決めているレバークーゼンとの契約はあと2年残っていたが、細貝は(1)ボランチとして勝負できる環境、(2)自分を評価してくれる監督の存在、(3)来年のW杯ブラジル大会で主力としてプレーする――の3点を重視。来シーズンに2部から昇格する新天地ベルリンへの移籍を選んだ。 細貝は2010年12月に浦和レッズからレバークーゼンへ完全移籍し、直後に武者修行として当時2部だったアウグスブルクへ期限付きで移籍。チームが1部に昇格した2011‐12年シーズンにはボランチの主力として32試合に出場し、チーム史上初の1部残留に大きく貢献した。 しかし、満を持して復帰したレバークーゼンでは、ドイツ代表や同代表候補がひしめきあう中でなかなかチャンスが巡ってこない。出場機会を得たといっても左サイドバックがメインで、最終的に出場17試合、そのうち先発は8試合という結果とともに不本意のまま今シーズンを終えた。 「自分の中で一番悔しいと思ったことは、練習でもボランチでプレーできなかったこと。今年に入ってからもほとんど左サイドバックや右サイドバックでの練習が続いたので、この先、自分が勝負していく上で厳しいと思った。レバークーゼンのレベルの高い選手たちから受けた刺激はすごく大きかったし、自分にとって大きな財産になった。チームから残ってほしいと言われた時は正直、迷ったけど、自分が置かれた状況を考えた上で、より成長していくために決断しました」 環境を変えようと決意したのは4月に入ってからという。ベルリン以外にも来シーズンのユーロリーグ出場を決めているフランクフルトからも正式なオファーが届き、興味を示したクラブも2つあった。レバークーゼンともミーティングを重ねる中で、5月に入ってから移籍したいという意思を正式に伝えた。 チャンピオンズリーグやユーロリーグでもプレーできる可能性をあえて断ち、2部から昇格するベルリンに決めた理由は、ボランチでの起用を考えていると伝えられたことともうひとつ。アウグスブルク時代の監督で、細貝をボランチとして重用してくれたオランダ人のヨス・ルフカイ監督が指揮を執っている点にある。 アウグスブルク時代の戦術がベースになる点で、新天地に馴染みやすいメリットもある。