代表へのリンクを考えた細貝萌のヘルタ・ベルリン移籍
代表選出への危機感「チームでもすごく厳しい状況にいる」
「日本からドイツに移籍してきて、ドイツ語がまったくかわらない、数字も1から10までしか数えられない、通訳もいない、という状況の中で、自分の性格を理解してくれたことは、自分にとってすごくポジティブなものだった。すごく選手の気持ちを分かってくれる監督。試合に出る、出ないは監督が決めることだし、どのクラブにいても競争はあるけど、1年とちょっとの間、一緒にプレーした監督がいるということはすごく大きな部分。アウグスブルクでは自分を評価してくれていたと、今でも感じているし、今回声をかけてもらったことにも縁を感じている。ヘルタで自分の力でポジションを奪って、いいパフォーマンスをしていくことで恩返しをしていきたい」 ドイツの地に渡ってから週2回のドイツ語のレッスンを受けてきた成果か、交渉の席や電話などで、ルフカイ監督とも不自由なく会話ができたという。 今回のベルリン移籍は、日本代表が出場権獲得に王手をかけているW杯ブラジル大会とも密接にリンクしている。2月に行われたラトビア代表との国際親善試合で帰国した細貝は、レバークーゼンで出場機会が激減していた状況に大きな危機感を募らせていた。 「チームですごく厳しい状況にいる。チームでしっかりやって初めて代表に呼んでもらえると思うし、このままならいつ呼ばれなくなるか分からない。一番ギリギリのところにいると思っている」 アルベルト・ザッケローニ体制となった2010年10月以降ですべての試合で招集されてきたが、遠藤保仁、長谷部誠が鉄壁のコンビを組むボランチの牙城を崩すまでには至っていない。 親善試合はともかく、W杯アジア予選を含めた公式戦では、試合終盤の守備固めでの起用が大半を占める。もっとも、格上の強豪国との対戦が待つ来年6月の本大会では、自身の存在が必要不可欠になると信じて疑わない。 「強豪国との対戦になるほどボールを保持する時間が短くなるし、守備をベースとした戦い方が必要になってくると思うので。そういう状況でこそ自分のプレースタイル、ストロングポイントというものを一番生かせると思っている。だからこそ、ボランチで勝負したいという気持ちが一番強いんです」