代表へのリンクを考えた細貝萌のヘルタ・ベルリン移籍
新天地ベルリンでの背番号は「7」
細貝の一番の魅力は、中盤の底での激しい守備。球際での激しい攻防を厭わずにボールを奪取できる点にある。日本代表で遠藤と一度も組んだことがない点に苦笑いしながら、「決して長谷部さんとやりにくいということではないけど」と前置きした上でこう語ったこともある。 「タイプ的にはヤットさん(遠藤)と組む方が、よりマッチするのかな」。中盤における守備を一手に担い、遠藤をひとつ高い位置に上げてパスの配球役に専念させることができるという自負。新たなオプションをアルベルト・ザッケローニ監督に認めさせるためにも、所属クラブでボランチとして確固たる結果を残す必要があるわけだ。 1986年生まれで、同期の本田圭佑(CSKAモスクワ)、長友祐都(インテル)、岡崎慎司(シュツットガルト)は前回のW杯南アフリカ大会で日本代表の主力を務めた。当時はレッズの一員だった細貝は、遠征先のオーストリアから彼らの大活躍を応援する立場だった。 「彼らとは北京五輪でも一緒にプレーしたし、成長をすぐ近くで見ていた。自分も追いつきたいという気持ちが強いし、代表に呼ばれると数多くの選手から刺激をもらう。年下なのにすごく大きなクラブにいる選手もるし、自分もこのままじゃいけないという気持ちにいつもさせてくれる」 4年契約を結んだベルリンでは背番号「7」が内定している。アウグスブルク時代にルフカイ監督のもとで背負った、思い入れの深い番号だ。はやる気持ちを抑えきれないかのように、細貝は新天地でのプレーを思い浮かべた。 「球際の激しさや俊敏性のところで、大きなドイツ人に自分からぶつかっていきたい」 原点に帰ってのチャレンジは、8月下旬に幕を開ける。 (文責・藤江直人/論スポ) ■細貝萌(ほそがい・はじめ) 1986年6月10日、群馬県生まれ。26歳。前橋育英高校から2005年に浦和レッズに入団。ボランチをメインに守備のオールラウンダーとして活躍し、2010年12月にブンデスリーガの強豪レバークーゼンへ完全移籍。アウグスブルクでの武者修行を経て今シーズンはレバークーゼンでプレー。5月21日に来シーズンから1部に復帰するヘルタ・ベルリンへの完全移籍が決まった。2010年9月のパラグアイ戦で日本代表デビュー。国際Aマッチ通算19試合に出場して1得点。176cm、69kg。