10人劣勢もスタンド一体で3発猛反撃…前回王者・鹿島JrユースMF小笠原央主将「去年の嬉しい気持ちを知っているぶん苦しい」
[12.25 高円宮杯U-15準決勝 鹿島Jrユース 3-6 G大阪Jrユース 味フィ西] 【写真2枚】獅子奮迅の働きを見せたMF小笠原央 主力のMF岩土そら(3年=シーガル広島)を累積警告の出場停止で欠き、前半のうちに退場者を出しながらも、そこから10人で3ゴールを奪い切る猛反撃を展開。前回王者の鹿島アントラーズジュニアユースは深い爪痕を残し、ベスト4で大会を去った。 クラブレジェンドである父親の小笠原満男氏と同じ40番を背負い、主将を担ったMF小笠原央(3年=鹿島ジュニア)は試合後、「累積で出られない選手もいて、いつもより思いが強い中、自分たちが負けてしまったことが悔しい。去年の嬉しい気持ちを知っているぶん苦しい気持ち」と心境を吐露した。 この日の鹿島は前半17分までに2点を奪われ、同20分にDF山中飛侑(3年)が敵陣の空中戦で2枚目のイエローカードを受けて退場。小笠原が「勝利にこだわるところをもっとチームとして追求しないといけないし、試合の入りで先に取られてしまったのが課題」と振り返ったように、立ち上がりの試合運びが大いに悔やまれた。 それでもスタンドに陣取る控えメンバーから送られた「奇跡を起こせ」の大合唱の中、0-3の後半から猛反撃を展開。クレバーな読みと力強いデュエルで攻守に獅子奮迅の働きを見せた小笠原と、数的不利をものともしない推進力と得点力を示したFW高木瑛人(3年=鹿島ジュニア)が中心となり、どんな状況でも結果にこだわり続ける鹿島の姿勢を示し続けた。 「自分たちは下の学年でたくさん出させてもらったので、下の学年の人たちに自由にやらせてあげたり、自分たちが引っ張って背中で見せるというのを上の代から教わってきているし、ユースの活動の中では自分たちがサポートしてもらっている」(小笠原) そうした世代間の融合は鹿島アカデミーの文化となりつつあり、次の担い手となるスタンドの選手たちも「日頃の練習前からみんなで円陣を組んだりして、一人一人ベンチ外の選手も含めてここに乗せてきた思いは強かった」(小笠原)という一体感を印象付けた。 そんな小笠原はすでに高円宮杯プレミアリーグEASTでデビューしているものの、来季からユースでの本格挑戦がスタート。中学日本一を逃した悔しさも胸に「アントラーズはやっぱり勝つチームだと自分は思っているので、日頃から意識を切り替えてできることをやっていきたい」とタイトルへの渇望をのぞかせ、「上の学年にも吉田湊海選手など世代を引っ張る選手たちがいるので、そういう選手たちから良いものを盗んで、どんどん上のレベルに行って、アントラーズで活躍できるように頑張りたい」と決意を示した。