「今もずっと驚いています」 大作時代劇のメインキャストに抜擢された「斬られ役」が語る殺陣の美学
11年に「水戸黄門」さえ終了。「ガンガン出ていける」という直後のジレンマ。それでもいつ声がかかってもいいよう「自分を高め、現場を大事にする」よりなかった。 その後、時代劇はBS、CSでも撮影され、大作映画も製作されるなど、どん底は抜けつつある。世界的には米配信ドラマ「SHOGUN 将軍」のヒットなど、受け手に変化の兆しもある。「絶対に勢いにつながる」とするが、受け止めは冷静だ。「現場の数がまだ少ない。後輩が経験を積む場がない」 そんな中、今回の抜擢は後に続く役者の光になるのか。「実感はないですが、『あんたが頑張ればみんな付いてくる』なんて言われて、どきどきしてます」 =敬称略 ◇ 「十一人の賊軍」あらすじ 戊辰戦争の対応に苦慮する新発田藩。やむなく同盟を結んだ旧幕府派の軍隊が城に押しかけ、新政府軍も迫る。家老は一計を案じ、罪人たちに砦を守らせる。勝てば放免と約束するが、裏にある思惑が隠されていた。T・ジョイ京都、イオンシネマ京都桂川などで公開中。