北朝鮮の韓国との“絶縁”は永遠に続くのか 専門家「憲法改正における考えを変えさせる必要がある」
10月17日の朝鮮中央通信によれば、北朝鮮は韓国を「敵対国家」に指定。韓国との統一政策を放棄するという金正恩総書記の方針に基づき、憲法改正をおこなったことを確認したと報じた。先日の韓国につながる道路や鉄道の爆破は、憲法で規定された敵対国家に対する措置としておこなったのだと言及している。 【映像】金正恩体制を批判するビラ(実際の映像) これまで金総書記の祖父で建国の父、金日成主席から父親の金正日総書記までつらぬかれてきた南北統一。しかし現在の金正恩総書記になり、その統一は完全に放棄されたことになった。 コリア・レポート辺真一編集長は「完全に韓国とは絶交宣言。永遠に別れを告げた。一言で言うと“赤の他人”だと。もはや同族・同胞とはみなさない。したがって対話もしなければ統一もしない。好き勝手にやろうと。38度線、南北連結鉄道を取っ払って、さらには道路を爆破して、ここに恐らく障壁を作るのではないか。ベルリンの壁のようなものを作って、完全に人を通さないということが始まっている」と解説。 金日成主席、金正日総書記とは真逆の方向に舵を切ったことについては「建国以来、南北統一は国家の目標で、民族の悲願。その統一という看板を下ろしてしまった。初代も2代目も、祖父も父も草葉の陰で泣いているどころではない。怒っていると思う」と厳しく指摘した。 国民はどう思っているのか。辺氏は「北朝鮮は民心を測る世論調査がないためわかりようがない。おそらく不快に思っても、上から『この通りにやるんだ』と指示が下れば『はい』となる。異議申し立てやデモを起こすこともない。日本と違って政府を批判するマスメディアや野党はない。金総書記がやることに従うしかない」とした。 「憲法改正してしまったため『もう二度と昔のようには戻らない』ということ。ただもう1回、憲法改正すれば元に戻る可能性はある」としながらも「その可能性は極めて少ない」とコメント。 しかし、金総書記が考えをひるがえしたことがあるとして、2018年に板門店で行われた南北首脳会談でのエピソードを紹介。金総書記がソウル時間と30分差の「平壌時間」を設けたいとしたことから、壁にはそれぞれの時間を刻む時計を飾っていたそう。しかし会談後の宴会で金総書記は「いま文(在寅)大統領と統一の話をやろうというのに、まず時計から統一しろ」と、平壌時間の時計を取っ払ってしまったという。 「この過去があるだけに、今回もそういう一言を期待している」と語る辺氏は「もう1回考えを変えさせる。もう1回思い直しをさせる。そのためにいろいろな発言をしていきたい」と語った。 (『ABEMA的ニュースショー』より)
ABEMA TIMES編集部