公演後は出口で観客全員に梅垣義明のスポンサー「春日井製菓」のグリーン豆が配られた

＜ニッカンスポーツ・コム／芸能番記者コラム＞ 　「ワハハ本舗40歳記念全体公演　シン・シンワハハ40」を東京・新宿のシアターサンモールで見てきた。 　1984年（昭59）に旗揚げして40年。演出家の喰始（たべ・はじめ）氏（76）のもとに、久本雅美（66）柴田理恵（65）佐藤正宏（65）たちが集い、笑いのステージを繰り広げてきた。 　40年という歴史を誇るだけに、出演者のみならず観客もそれなりに年を取っている。それでも、10分ほどの休息をはさんで3時間、たっぷりと笑いを堪能できた。 　久本の「オカルト二人羽織」、柴田の「おしん」は名人芸。そして「梅ちゃん」梅垣義明（65）はコロナ禍では飛沫（ひまつ）感染防止のため封じられた、グリーン豆を飛ばしながらの越路吹雪の「ろくでなし」を朗々と歌い上げた。観客も悲鳴をあげながら、豆を浴びていた。そして芸達者なポカスカジャン、3ガガヘッズが笑わせてくれた。 　何よりもすごいのが演出の喰さんのパワフルさだ。2007年に60歳、還暦の時に3日間にわたる生前葬を開催している。以前、取材した時に「生前葬やると長生きできるよ」と笑いながら勧められたが、喜寿だというのに、今だバリバリの現役。いつも飄々（ひょうひょう）としながら、ワハハの世界を作り上げている。今回も出演者とともに、観客席の上段まで駆け上がってあいさつをしていた。 　久々に大笑いしてパワーをもらったが、ワハハの公演を見るには、ちょっとした覚悟がいる。突然、指名されて「よろちくび～」を観客の前でやる度胸が必要。記者も40年近く取材活動を続けているが、顔にパンストをかぶらされて取材したのはワハハだけだ（笑い）。 　新宿での公演は6日までだったが、その後は12日の宮城公演から12月15日まで全国ツアーを行う。【小谷野俊哉】