【独自解説】「主食をそうめんに…」深刻な米不足がもたらした“令和の米騒動” 米は高級品の時代へ?元経産官僚が指摘する『農水省の政策ミス』とは―
日本の主食といえば『米』ですが、一部のスーパーマーケットなどでは購入制限がかけられたりアメリカ産米を置いて対応したりするなど、“令和の米騒動”ともいえる深刻な米不足となっています。元経産官僚・岸博幸氏の解説です。 【写真で見る】カレーライスの調理費用が過去最高値!肉、野菜の価格高騰に加え、深刻な米不足 国は「全体需要がひっ迫している状況ではない」との認識…この「令和の米騒動」はいつまで続くのか?原因と今後の見通し
■深刻な米不足、原因の一つに「農水省の政策ミス」元経産官僚が指摘
米の供給不足により、東京都内のスーパーでは購入制限をかけ、1家族1点までに。また、埼玉県の『スーパーマルサン』越谷花田店では、一時1000円値上げしたり、2kgの米やアメリカ産の米で対応したりしていました。
この状況に、『スーパーマルサン』越谷花田店の米担当者は、「“米騒動”という言葉が正しいのではないか」と話しています。 2人の息子を持つ母親からは「息子たちが夏休みで毎日5合のお米を食べるので、スーパーでお買い得な物を探している」、70代女性からは「主食をそうめんなどに切り替えた」といった声が聞かれました。
米不足の理由は大きく2つあります。1つ目は、2023年の猛暑による不作の影響です。米農家の原田さんによると、「この暑さで米が焼けて、茶色い米がいっぱいできて売れない」ということです。2つ目は、訪日外国人の増加によって、米の外食需要が拡大していることにあります。
全銘柄を平均した玄米60kgの価格を2022年産・2023年産で比べてみると、2022年6月は1万3865円・2023年6月は1万5865円と前年同月比が約14%増え、約11年ぶりの高値水準となりました。また、在庫量も2024年6月末で156万トンと、過去最低となっています。
Q.いろんな要因があると思いますが、ここまで米が減るんですね? (元経産官僚・岸博幸氏) 「猛暑の影響が大きいのは当然なのですが、実は『農林水産省の政策間違い』の影響も必ずあります。過去には、“米の需要が減るから田んぼを減らそう”という『減反政策(げんたんせいさく)』をずっとやっていました。最近は何をやっているかというと、農水省は農家に対し『米の需要が減っているから、食用米ではなく家畜の飼料用に転換しましょう。転換したら補助金を出します』という政策をやって、米の供給を減らしているんです」 Q.米は作っているけど、人間が食べる分ではないということですか? (岸氏) 「はい。そういう中で、結果的に猛暑の影響などで供給が減って値段が上がっていますから、政策ミスの影響があります。今、政府は電気代・ガス代・ガソリン代などを補助しているわけなので、米の値段も補助してほしいなと思います」
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