フリースタイルフットボールの新時代へ! AKIが語る「自分しかできない役割」とは
■大会にはどういったマインドで挑まれたのでしょうか A:僕は大学生最後の年だったので圧倒的に準備の時間があったことと、去年まで出場していたチャンピオンのKo-sukeさんが今年はジャッジに回ったので、枠が空いたという要素がありました。加えて自分はJFFCを運営しているJF3という団体でスタッフもしているんです。運営側としても労力を注ぎ込んでいた中で、自分がプレイヤーとして負けるのは嫌だなと思っていました。 ■実際そこで日本一になられて取り巻く環境の変化はありましたか A:日本一になったら環境は変化すると思っていたのですが、変化は特にありませんでした。それよりも2023年シーズンに関しては7月を皮切りに、ほぼすべての月に大きい世界大会があったので、そこで日本チャンピオンの看板を背負って戦うということが非常に忙しい一年でした。今までのフリースタイルフットボール人生の中で一年間の試合数は過去一だったと思います。
掴み取った世界最高峰の舞台「Red Bull Street Style(以下:RBSS)」
AKIは「JFFC 2023」のチャンピオンとして世界最高峰のフリースタイルフットボール世界大会「Red Bull Street Style 2023」への出場権を獲得した。 結果は地元のレジェンドプレイヤーとの対決も制し、見事初出場でTOP4の成績を残した。日本代表として出場した彼が感じた世界の舞台での経験、そしてステージ上で込み上げた感情などを赤裸々に語ってくれた。 ■日本代表として挑んだRBSSの大会を終えての感想を教えてください A:楽しかったし嬉しかったこともあったのですが、フリースタイルフットボール人生史上で一番揺さぶられた大会でした。まず大会が始まる前から終わった後まで全部トラブル続きだったんです(笑)。始まる前は雪で飛行機が動かずに、5日間ミュンヘンに滞在した後、なんとか予選の前日に会場のブリュッセルに着きました。預入れ荷物は遅れて服も何も持っていけなかったので、現地で大会用のズボンや服、帽子を買い、靴も他の人の靴を借りて出場しました(笑)。そういったトラブルに加えて、対戦相手はほぼホームだったので完全アウェイという状況が連戦で続いたので、それも中々厳しかったです。そういった経験を経て体力が必要だなと痛感しました。 ■予選を通過し、TOP8トーナメント初戦はレジェンドプレイヤーのBencokとの対決でした。会場の雰囲気や勝った直後の心情はいかがでしたか A:Bencok(ベルギー)は2016年以来の世界大会の出場で地元開催だったので、完全アウェイの状況でした。本番前のウォーミングアップからフランスなど他のレジェンドプレイヤーが彼を励ましていましたが、僕は気にしないで黙々とウォーミングアップしていました。この雰囲気の中で勝ちきれるかっていうプレッシャーもあって、非常にシビアな環境だったと思います。でも実際勝った時の感情は嬉しさが100%ではなく、ベテランの1番やりたかった選手と戦えた嬉しさ、それにプレッシャーや安心感、僕の勝利に対する会場のブーイングへの怒りだったり、様々な気持ちが入り乱れていました。