創業133年の沼津の駅弁業者が、美味しい駅弁を届けるための工夫とは?
「港あじ鮨」の姉妹品として、平成24(2012)年3月1日に発売され、干支がひと回りしたのが「沼津香まだい寿司」(1230円)です。地元・駿河湾で育った鯛を使用し、その鮮度へのこだわりから、毎年7月から9月の間は販売を休止する季節限定販売の駅弁です。もちろん、「沼津香まだい寿司」でも、伊豆天城産の本山葵と卸器が封入されていて、“自分ですり下ろすわさび”が楽しめます。
【おしながき】 ・まだい寿司(真鯛、酢飯、山葵の葉・茎) ・まだい寿司炙り ・伊豆天城産本山葵 ・ガリ
ふたを開けると、寿司らしい香りと共に、ほのかな甘い香りが広がる「沼津香まだい寿司」。じつは開発に2年をかけた駅弁だそう。酢と昆布で最適な真鯛の〆方を見つけるまでに時間を要したと言います。「柑橘系のだいだい酢を効かせることで、鯛が持つ本来の甘さを引き出すことができているのでは」と桃中軒も自負する駅弁。比較的淡白な味わいの鯛を、粘り強い工夫でヒットにつなげているのも老舗の技ですね。
静岡県東部地方にある、東海道新幹線の三島・熱海の両駅にも、一部の「ひかり」号が停車します。三島駅は日中、2時間に1本、熱海駅には上下3本ずつの列車が停まり、東京~三島間は最速42分。三島停車「ひかり」は在来線接続が良好で、沼津港まではあっという間です。加えて富士からの身延線・甲府行や吉原からの岳南電車に待ち時間少なめで乗り継ぐことができるのも魅力の1つです(一部時間帯を除く)。
ライター望月の駅弁膝栗毛 「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介! 著者:望月崇史昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。 駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/