初代表の井手口はハリルJの救世主になれるのか?
躍動する井手口の姿を背後から見ることが多くなった元日本代表DF丹羽大輝は「周囲の人たちが見ても『オイ、井手口って強いな』と思わせるくらいファイトしていますよね」と急成長ぶりに目を細める。 「性格的に負けず嫌いなところがあるんですけど、それをピッチのうえで少しずつ表現できるようになりましたよね。思っていてもなかなか表現できなかったのが、それまでの(井手口)陽介だったんですけど、試合に出ている時間が目に見えて長くなってきたなかで、球際にしても思い切りファイトしている。もちろん、こんなところで満足することなく、もっともっとビッグなプレーヤーになってほしいと思っていますけど」 欠点を強いて挙げるとすれば、自他ともに認めるシャイで、極度に人見知りする性格だろうか。YBCルヴァンカップ準決勝で遠藤の横にまで詰めていた点を聞いても「たまたまです」と質疑が続かなかった。この点には遠藤も「ウイークポイントは本人もわかっているはずなので」と苦笑いを隠せない。 いずれにしても、ひとたびピッチに立てばまるで別人のように豹変し、ボールホルダーへのアプローチの速さと洞察力の素早さで異次元のレベルを発揮しているのも事実。ピッチのなかだけでなく外でも積極的なコミュニケーション力を求めるハリルホジッチ監督と同じ時間を共有する10日間は、メンタル面でもホープをさらに飛躍させるかもしれない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)