飲食店での食べ残し、なぜ持ち帰れない?日本は食中毒を恐れ過ぎてる?バビンコイ氏「アメリカでは客が店を訴えるとしたら、店が逆に客を訴える。自己責任だ」
■日米で大きく異なる食べ残しの「持ち帰り」
無駄を出さず質素・倹約を重んじる印象がある日本だが、この『持ち帰り』については消極的な店も多い。カンニング・竹山隆範は、焼肉店での体験を語った。「焼肉屋で焼く前の肉が余ったから持ち帰りたいと言ったらダメだった。その延長で焼いて持っていくのはと聞いたが、それでもダメ。理由を聞いたら『食中毒が起きたらダメだから』だった」と、納得がいかなかった。店内で提供したものを、客が自宅に持ち帰った際、何かしらのトラブルが起きて店側の責任を問われることを避けた。 一方で「訴訟大国」とも呼ばれるアメリカでは、店の責任を追及する話にはならないという。文化通訳でシンガソングライターのネルソン・バビンコイ氏は「家に持ち帰って腐ったものを食べたとして、それを客が訴えるとしたら、店が逆に客を訴える」自己責任だと文化の違いを説明した。また日本においては「刺身などの生で食べるものもあるから、余計にハードルは高いのでは」という、日本特有の生食文化の影響には理解を示した。 日本でも「食べ残しの持ち帰り」については認める通知が出されている。井手氏は「国としては食べ残しの持ち帰りを禁止していないし、2017年5月に4つの省庁が、どういうことに気をつけて持ち帰ってという通知も出している。もし持ち帰るなら、消費者の自己責任ということも言っている。ただ、実際に店に聞いたら、やっぱり食中毒が怖いとか、保健所がなんとかと言われるので今、厚生労働省がガイドラインを制作して健闘している途中。よほど義務化しないと結局断られる」と、省庁の対応も含め現状を説明した。 国内ではまだハードルが高い「持ち帰り」。今できる食べ残しを減らすための仕掛けとして、井出氏は見本を置いて大きさや量をわかりやすく伝えること、食べきった写真で次回使えるサービス券の導入、食べ放題やビュッフェなどであれば「何度でも取りに来てください」と一度に多く取りすぎないことを勧めるなどの対応策があると紹介していた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部