趣里の表情変化が素晴らしい…考えさせられる内容なのに爽快感を得られる理由とは?『モンスター』第2話考察レビュー
趣里主演ドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)が放送中。本作は、得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子が、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かうリーガル・エンターテインメント。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】趣里&ジェシーコンビに萌え…貴重な未公開写真はこちら。主演ドラマ『モンスター』カット一覧
「歌詞の盗作」問題 AIが生成した可能性も…?
誰にだって「過去」はある。それをなかったことにできるのか、捨てることができるのか。 第2話で亮子(趣里)のもとに持ち込まれたのは「歌詞のパクリ問題」。 アイドルのシホ(なえなの)が書いた新曲の歌詞が、すでに発表されている楽曲と酷似していたのだ。盗作だと訴えたのは、シホが以前所属していた事務所の社長で、音楽プロデューサーの黒川正博(山中聡)。 2曲を並べてみると、その歌詞はほぼ一緒。おまけに、シホは歌詞を書いたノートや創作過程が分かるものが全く残っておらず、盗作していないと証明するのはほぼ不可能では、と思われたが…。 歌詞を盗作したかどうか、の判断が難しいが、どうしても先に発表したほうが有利だ。 さらに今は、AIによって作られた歌詞かもしれない、という可能性が含まれると、問題はさらに難しくなる。今後、現実世界でもAIによる作詞でのトラブルもどこかで生まれそうな気がするが…。
「顔か歌詞かなら、顔を選ぶ」
結果として、盗作したのは黒川のほうだった。実はシホが先に書いたという証拠もあったのだ。それなのに、なぜシホは提示しなかったのか。 シホが歌詞を書いていたのは高校の卒業アルバム。そして見られたくないのは、高校時代の自分の写真。実は、シホは整形をしていた。証拠としてアルバムを提出すれば、歌詞をパクっていないことは証明できるが、整形がバレてしまう。 「顔か歌詞かなら、顔を選ぶ」 整形がバレるぐらいなら、盗作の疑いがかけられたままのほうがいい。それぐらい、シホは整形だということを知られたくなかった。アイドルとして整形がバレるのは致命的かもしれない。しかし、それ以上に、シホにとっては「顔」の価値が高かったのだろう。 顔のせいで辛い思いをした学生時代。整形してから、世界が変わった。アイドルにスカウトもされた。顔が変わったら、世界が変わった。 亮子(趣里)は卒業アルバムという証拠を提示せずに、シホの勝利を掴んだが、遅かれ早かれ整形であることはバレるだろう、と言う。世間に知られるのが遅くなればなるほど、シホにのしかかってくるものも大きくなるだろう、とも。