【独自】「ああ、殺される」寝ていたら眼前に刺し身包丁、まさかこんな山あいに… 4県強盗でベトナム人2人再逮捕
凶悪な犯行をなぜ?
長野、栃木、群馬、福島4県の山間部で相次いだ強盗事件を巡り、ベトナム人の男2人が窃盗未遂などの疑いで逮捕された事件。栃木など4県警の合同捜査班は5日、窃盗の疑いで2人を再逮捕した。栃木での強盗で奪ったキャッシュカードを使って実際に現金を引き出していた疑いが強まった。犯行現場はいずれも山あいの民家で、未明の犯行。なぜ凶悪な犯行に手を染めたのか―。4県の現場を歩き、探った。(和田友介) 【ひと目で分かる】強盗事件が起きた4市町
奪ったキャッシュカードで現金引き出しか
2人は自称内装工の男(25)と、元技能実習生の男(23)。内装工の男は4月30日に栃木県日光市で起きた強盗事件被害者のキャッシュカードで現金を引き出そうとしたとして窃盗未遂の疑いで、元技能実習生は入管難民法違反(不法残留)の疑いで、ともに5月15日に逮捕された。 内装工の男は4月30日早朝にカードを使って現金を引き出そうとしたが、被害男性が利用停止措置を取ったため失敗。だが、利用停止になる前の同日未明に別の場所で現金が引き出されたことが判明しており、2人が関与した疑いが強まったとして栃木県警が再逮捕する方針を固めた。 4県警の合同捜査班は2人が一連の強盗事件に関与したとみて調べている。
群馬の被害者宅へ
5月8日に強盗事件が起きた群馬県安中市の現場は上信越道松井田妙義インターから北東へ約1キロの場所にある。交通量の多い国道18号から一本脇。被害に遭った民家の裏手には川、正面は林に囲まれ、数十メートル離れている最寄りの民家とは林が隔てている。近隣住民は「夜になると真っ暗。車も人もほとんど通らない」と口をそろえた。 「ああ、殺される」 被害者男性が2人組の男から刃物を突き付けられた際の心情を生々しく語った。未明の午前1時半ごろ、寝室で寝ていると突然、馬乗りになられた。男の1人が「騒ぐな、殺すぞ」と告げ、刺し身包丁のようなものを突き付けてきた。フードをかぶっていたが、顔は隠していなかった。抵抗したら殺されると思い、おとなしくした。粘着テープで手首を巻かれ、目と口もふさがれた。 男たちはほとんど無言で、たんすの引き出しを開けて中身をばらまき、室内を物色した。男性は2人が去った後、自力でテープをかみ切り、119番に通報。財布からは現金約8万円が無くなっていたが、キャッシュカードなどはそのまま。勝手口の窓が割られていた。犯人はここから土足で侵入してきたとみられる。