「ディプティック」の新プレミアムライン 調香師3組に聞く“感知できない香り”の表現
「ディプティック(DIPTYQUE)」から登場したプレミアムライン“レ ゼサンス ドゥ ディプティック”は、自然界にありながらも感知できない香りを豊かなイマジネーションで表現したフレグランスだ。通常のラインは、自然の要素や旅の思い出など、観察したり感じたりした自然の香りを可能な限り忠実に表現。一方で、プレミアムラインは、サンゴやマザー・オブ・パール、バーク(樹皮)、睡蓮、砂漠のバラという香りのない自然の宝物へオマージュを寄せている。これらをイメージソースに5種類のフレグランスを手掛けた調香師は、アレクサンドラ・カーリン、故オリヴィエ・ペシュー&ナタリー・セット、ファブリス・ペルグランの3組。香りがない自然をどのように表現したのか彼らに聞いた。
爽やかでスパイシー、ミステリアスなサンゴを表現
コライユ オスクロ(サンゴ):アレクサンドラ・カーリン 「『ディプティック』のためのクリエイションは大好きでワクワクする。今回のプロジェクトは“好奇心のキャビネット”の扉を開けるような感覚だった。サンゴに香りはないが、雰囲気、色、形、全てについてイマジネーションを働かせた。サンゴをテーマに、フローラルな香水を開発するのはチャレンジングだった。水面の光とサンゴの赤や複雑さを表現している。香りの中心には、強烈なピンク色やベルベットの質感、刺激的なインドのブルボン・ローズを使い、ゼラニウムやライチなどでバラの香りを強調している。ネギの天然エキスやスパイシーなサフランのシソペップ、木片から抽出したサンタル・ドレッシュなどをミックスしてミネラルと塩味を表現。ベルガモットやマンダリン、ピンクペッパー香りにきらめきを与えたかった。爽やかなトップノートと全体に熱っぽいスパイシーでウッディな雰囲気のコントラストを描いている。ミネラル感と謎めいた華やかさを感じてほしい。捉えどころのないサンゴのようにミステリアスな香りで夢を見てほしい。」