「ディプティック」の新プレミアムライン 調香師3組に聞く“感知できない香り”の表現
木の二面性と優しくみずみずしい睡蓮を体感する香り
ボワ コルセ(バーク)、リリフェア(睡蓮):オリヴィエ・ペシュー&ナタリー・セット
「メゾンの長年の友人であまりに早く私たちの元を去ったオリヴィエ・ペシューに導かれたこのコラボレーションはとても魅惑的だった。バーク(樹皮)や睡蓮という香りがないものを再現するために、その質感と奥深さや複雑な芸術性に敬意を払い、視覚的な表現を超えて表現したつもりだ。例えば、“ボワ コルセ”は、柔らかい木の内側を守る荒々しい樹皮のイメージ。そこで、白檀とトンカ豆を用いたアンバーで官能的な香りで柔らかい内側を、それを守る樹皮にはスギとブラックコーヒーを組み合わせたウッディノートを用いて、どこか中毒性のある二面性を表した。この香りを着けることで、木の哲学的な物語を発見してほしい。アンバー、グリーン、ムスクを織り交ぜた“リリフェア”では、水面に浮遊する肉厚の緑の葉っぱなど、睡蓮を象徴する全てを表現したつもりだ。この香りをつけることで、みずみずしさと優しさの間を浮遊するような感覚、睡蓮の宇宙へ没入してほしい。『ディプティック』のフレグランスは、自然をはじめ、内省やクリエイション、交流の時間を称えるものだ。」
未開の地の神秘を描き出す原材料の対話
ルナ マリス(マザー・オブ・パール)、ローズ ロッシュ(砂漠のバラ):ファブリス・ペルグラン
「自然の驚異に香りを与え、感動を伝えるというエキサイティングなプロジェクト。自然の複雑さと繊細さを香りで表現するのは刺激的な挑戦だった。マザー・オブ・パールや砂漠のバラは、神秘的な存在。それぞれの香りで未開の地の神秘を表現したいと思った。調香は、作曲のようなもので、原材料が対話の中でどのように共鳴するかが重要だ。“ルナ マリス”には、スパイシーなピンクペッパーを用い、アンバーとバルサミコのニュアンスのあるインセンスとミックスした。着ける人には、マザー・オブ・パールの虹色のニュアンスを感じ、自信を持ってほしい。砂漠の砂が風により形作られる様子にインスパイアされた“ローズ ロッシュ”は、砂漠のバラのエッセンスを使用し、ローズセンチフォリアのスパイシーで甘い香りの後には、ウッディなパチョリが癖になるようなアンブロックスのミネラル感を包んでいる。砂漠の風と砂の暖かさを呼び起こし、エネルギーを感じるような香りだ。これら香水を着ける人をユニークな感覚と感情の航海へ誘いたい。」