50代後半の会社員、退職金は2000万円の予定です。子どもは独立したので、これだけあれば年金だけで今までと同じような暮らしができますよね?
Aさんは50代後半の会社員、そろそろ退職後の生活を考える歳です。 退職金は試算で2000万円ほど、妻は扶養内でパートをしているし子どもは独立しているので、退職金+年金で夫婦2人これまでと同じような生活ができるだろうと思っています。さて、Aさん夫婦の老後は安泰でしょうか? 男性の平均寿命81歳、女性の平均寿命が87歳として、65歳で定年退職をすると20年以上のセカンドライフを過ごすことになりそうです。主たる収入の年金と老後資金の退職金2000万円で生活が成り立つのかどうか? 検証方法の一例を紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
支出の概算を見積もる
(1) 生活費の実態の把握 月の生活費の実態を把握します。総務省統計局が作成している家計調査年報の2023年の調査結果によると、月の消費額の平均は28万円(表1)となっています。 表1にならって、ご夫婦2人の生活費を集計して実態を把握してみましょう。
(2) 生活費以外の支出見込み額の概算を算出する 生活費以外の支出も洗い出しておきます。 大きな支出となる可能性があるものとして、自宅の修繕、家電の買い替え、車の買い替え、海外旅行、施設の入居に伴うものなど、予定されているものや可能性がありそうなものについて、支出の時期と見込み額をセットで把握しておきます。 (例) ●1. 子どもの結婚費用への援助 ●2. 孫の出産、進学に伴う支出 ●3. 自宅の修繕 外壁塗装 屋根の塗装 水回り交換 給湯器交換 ●4. 家電の買い替え 冷蔵庫 洗濯機 エアコン ●5. 車の買い替え ●6. 趣味・娯楽 以上で、月々の生活費とそれ以外で将来支出するものを把握することができました。
収入の見込み
つぎは、収入がどのぐらい見込めるかを把握します。 <年金収入> 退職後の生活の主な収入源は年金ですので、老齢年金の見込み額を確認すれば収入の見込みはつかめます。毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」で、老齢年金の見込み額を確認できます。 また、「ねんきんネット」の利用登録をすると電子版で「ねんきん定期便」を見ることができます。ご夫婦それぞれの年金額を確認しておきましょう。 その他、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、企業型確定拠出年金(DC)、個人型確定拠出年金(iDeCo)がある方はその額も確認をおきます。