離島へき地の教育現場体験 鹿大教職大学院が実習 龍郷町3校で
鹿児島大学教職大学院は15日から18日にかけて、龍郷町の円小、龍郷小、龍北中で重点領域実践実習を行った。学部卒と現職の大学院生8人が参加。児童生徒らとの交流や参観、実習授業などを通して、へき地の教育現場に理解を深めた。 重点領域実践実習は、複式指導や離島へき地での教育課題を発見し、具体的な方策を検討・提案することを目的に毎年実施している。同町で行うのは3回目。 院生らは2~3人ずつに分かれて3校で研修。17日は各校で実習授業を行った。龍北中(紙屋貴志校長、生徒8人)では3時間目に学部卒の有馬大揮さん(23)が教壇に立った。 生徒は2年生2人。数学の授業で1次関数の単元を扱い、連立方程式を用いてグラフの交点の座標を求める方法などを順序立てて丁寧に説明した。話し合いの時間も設け、生徒が自ら答えを導けるよう工夫を凝らした。 授業後、有馬さんは「少人数だと意見を出しづらくグループ活動ができない大変さを感じたが、生徒との距離が近く、個別の対応はしやすかった」と振り返り、「どんな条件でも子どもたちの成長を促せる授業をしていきたい」と話した。 引率した同大学院の小林俊一郎特任教授(61)は「少人数で効果的に(児童生徒に)アプローチする方法や、先生方の動き、組織マネジメントなどを実際に肌で感じてほしい」と期待した。