中6日100球は「甘えている」 中日元コーチの提言、根尾昂が背負う使命「出てこないと」
現在は野球評論家として活躍…中日・井上監督へエール
宇野氏は落合政権下の2008年シーズン限りで中日を退団。2011年オフに今度は高木体制で1軍打撃コーチに就任した。「当時、球団フロントだった井手(峻)さんから電話があった。それでもう一回やることになった」という。「高橋周平が(ドラフト1位で東海大甲府から)入ってきたけど、俺はある程度、本人に任せていたよ。他のコーチは試合が終わってからも教えていたけどね。まぁ指導してよくなる選手もなかにはいるだろうけど、落合流が正解だと感じるけどね」。 2012年、高木中日は2位から進出したクライマックスシリーズファイナルステージでアドバンテージ1勝の巨人に3連勝しながら、3連敗して敗退した。「あの時は日本シリーズに行けると思ったけどねぇ。で(中日4位の)次の年は俺、ファーム(2軍総合兼打撃コーチ)だったから1軍コーチの時にはBクラスの経験が1回もないんだよ」と笑みを浮かべた。2013年で退任してからユニホームを着ていないが、コーチとしても何かを持っているのかもしれない。 現在は野球評論家として中日を見つめる。「野手は若いのが伸びてきた。石川昂弥は20本以上のホームランを打てる能力があるし、彼がそれくらいやって細川(成也)がいて、岡林(勇希)がいて、福永(裕基)に村松(開人)も育てば外国人との兼ね合いにはなるけど、点数はとれるかな。ピッチャーは若いのが出てこないといけないだろうけどね。それから根尾(昂)君。ファンあってのプロ野球。彼が出ればまだまだ沸くんだから、頑張ってほしいよね」。 後輩でもある井上一樹新監督にも「3年間最下位だったっていうのがあるからやりにくさはないんじゃないかな。これ以上下がることはない。もう上がるしかないからね」とエールを送る。その上で「俺、バントとエンドランが基本的に大嫌いなんだよ。日本の野球はそれで優勝とかしちゃうから甘えちゃうんだけどね。先発投手の中6日も嫌い。それこそ中6日で100球とかあり得ない。これもちょっと甘えているんじゃないかと思う」と持論も付け加えた。 打力も守備力もハイレベルで、時々ポカもやる。実力も人気も兼ね備えた「ウーヤン」は中日を、日本球界を代表する野手の1人だった。「現役の時にさぁ、ノーアウト一、二塁かなんかで(4番の)落合さんが送りバントしたことがあったんだよ。当然サインじゃないよ。その後が(5番の)俺じゃん。無茶苦茶、プレッシャーがかかったよなぁ。犠牲フライで1点取れたけどさぁ」。66歳になった宇野氏の野球人生には語りきれないほどのいろんな経験が詰まっている。
山口真司 / Shinji Yamaguchi