高齢の両親が「ふるさと納税をして返礼品を家計の足しにしたい」と言っています。今の収入は年金のみなのですが、ふるさと納税はできますか?
年金受給者がふるさと納税をする際の注意点は?
まず、所得税・住民税がかからないと税制上のメリットはありません。ふるさと納税をした額は所得税と住民税から控除されますので、納めた税金以上には控除を受けられないことに注意しましょう。 よって、年金収入しだいではふるさと納税を払うだけになってしまいますのでシミュレーションが必要です。今回は年金収入だけですが、もし公的年金以外にも収入がある場合は計算の条件が変わります。 次に、これは年金受給者に限った話ではありませんが、寄付した人と支払う人の名義を同じにする必要があります。例えば、相談者Aさんのお母さんの名義でふるさと納税の申し込み、その支払いをお父さんのクレジットカードで行ってしまった場合です。このような場合は控除が受けられませんので、必ず寄付した人の名義で支払いを行うようにしましょう。
ふるさと納税もよいですが……。
前述のとおり、ふるさと納税は年々増加しています。納税者にとって一見良い制度のように見えますが、それはご自身の住んでいる住民税が減るということにもなります。 そもそも住民税は、生活に直結している教育や福祉、医療、防災、まちづくり等の行政サービスを行うための財源です。あまりにふるさと納税にシフトしてしまうと自治体の住民税は流出し、行政サービスの提供に支障をきたすことになりかねません。 Aさんはご両親に税制上のメリットだけでなく、行政サービスについてもアドバイスするのもよいかもしれませんね。 出典 総務省 ふるさと納税ポータルサイト 執筆者:田久保誠 田久保誠行政書士事務所代表
ファイナンシャルフィールド編集部