災害相次ぐ今、学びたい。「発電鍋」「ドリルポンプ」…最新防災グッズ学習会
西日本豪雨(平成30年7月豪雨)をはじめ各地で災害が相次ぎ、防災に関する関心が高まっています。愛知県でも多くの防災関係者や災害ボランティアが活動していますが、名古屋市天白区を中心に活動をする防災ボランティアチーム「天白でぃぷり」は7月22日、「発電鍋(なべ)」などユニークな最新の防災グッズを紹介する学習会を開きました。
天白区の防災リーダーが厳選
天白でぃぷりは2004年8月に設立。「でぃぷり」は「Disaster Prevention(ディザスター・プリベンション=防災)」の略です。 現在は天白区社会福祉協議会のボランティアセンターと協力し、避難所リーダー養成講座の運営や防災に関する学習会を年に4、5回開催しています。活動では市民の防災意識を高めるとともに、実践的なアドバイスなどをしています。 天白区在宅サービスセンターで開かれた今回の学習会には、シニアを中心に約20人が参加。講師を務めた天白でぃぷり代表の田中由幸さんは小学3年生でボーイスカウトを始め、社会人となってからも防災に関心を持って天白でぃぷりの立ち上げに関わりました。現在もリーダーとして活動し、この日はその豊富な経験と知識から選んだおすすめの防災グッズを紹介しました。 「万一のために準備しておきたい」と田中さんが最初に取り上げたのが、世界初の「発電する鍋」。見た目は普通の片手鍋ですが、黒い取っ手の先端にUSBの充電口があります。火にかけてお湯を沸かすと、その余熱を電気に変えて携帯電話などの充電ができます。コンロでインスタントラーメンを作ったり、冬場にストーブで暖をとったりしながらも充電ができるというわけです。 大阪のベンチャー企業が東日本大震災をきっかけに開発し、「ワンダーポット」という商品名で売り出されているこの発電鍋。避難生活でも最新の情報が得られるスマートフォンなどの情報機器の役割は年々高まっています。スマホをフル充電するにはお湯を沸かし続けて3時間ほどかかるそうですが、何人かで交代して見守るようなら十分、実用的かもしれません。 発電グッズは他にも、たき火やコンロの直火を利用して発電する「ファイヤーパワー」、アタッシュケースの表面にソーラーパネルを組み込んだ「アタッシュケース型携帯ソーラー発電システム」もありました。 発電鍋は1万5,000円ほど、たき火発電機は5万円以上、「発電カバン」は10万円近くするので個人での購入は難しいかもしれませんが、団体や企業での購入は可能なのではないでしょうか。参加者は実際にグッズを手に取り「これで発電できるなんて」「鍋は毎日使ってるけれど、こんなものがあるとは知らなかった」などと感想を言い合っていました。