もっと私の素顔を知ってもらえたら 山本舞香「ANOTHER SKY」で初司会
「ANOTHER SKY」日本テレビ系 土曜午後11時 デビューしたのは平成23年。以降、ドラマ、映画、バラエティー、CMにと毎日を駆け抜けた。その目まぐるしさに心身が追い付かず、「本当の自分って何だろう」と自問自答する日もあった。そんな時に届いたのが、この番組からの司会の依頼だった。 「いいタイミングでした。今、いい方向に進んでいるなと実感しています」 いったんは終了したものの、20年から続く長寿番組。「忘れられない空がある」というコンセプトの下、さまざまなヒストリーを持つゲストたちが、国内外のゆかりのある地を訪れる様子に密着し、自身のルーツや人生観、仕事に対する考えなどを吐露していくドキュメンタリーだ。自身はスタジオで同じく司会の今田耕司とともに、その映像を見ながらゲストたちのさらなる本音や裏話などを聞き出す役割を担う。 初めての司会。進行台本を事前に読み込み過ぎないようにしているという。「本業が俳優だからというわけではないのですが、情報を頭に入れ過ぎると、リアクションが演技のようになってしまう気がして…」と理由を挙げ、「ゲストの方たちが旅された映像を新鮮な気持ちで見て、視聴者の方たちに近い感覚でコメントし、質問しようと思っています」と語る。その心がけ通り、ゲストたちの言葉に共感してうなずき、意外な素顔に大笑いし、表情豊かで素直なリアクションが画面いっぱいに広がっている。 10月の初登場回では、自らが故郷の鳥取・米子を訪ねた。生まれ育った地を巡りながら、よろいをあたかも脱いだかのように心の扉を開き、「強気」と思われがちだった印象を「真っすぐで飾らない」に大きく変えた。自身も数年前から心境に変化があり、「そのままの自分をさらけ出したかったんですが、テレビでは強めのキャラクターを求められることが多くて…。でも、もっと私の素顔、持ち味を知ってもらえたら」と期待する。 これまでを振り返ったら、これからが見えてきた。この数カ月で仕事に対する考え方にも変化が生まれ、「以前はテレビや映画などに出演していないと『仕事がない』と思われそうで怖かったけれど、そう捉えられてもいい、気にするところではないと思うようになりました」と明かす。さらに、今年は所属事務所を移籍し、私生活では名字が変わり、公私ともに環境が一新した。「激動の1年でしたね」と実感を込め、「スタッフの皆さんと丁寧に話し合いながら、焦ることなく私らしく、心機一転、仕事に取り組んでいきたいです」。その笑みに、心の安定感と充実感がにじんでいた。