高校生の子どもが大学に進学せず、陶芸家に弟子入りすると言っています。そもそも陶芸家で食べていくことは現実的なのでしょうか?
陶芸家という仕事はなじみが薄く「現実的に食べていけるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。 今回は、陶芸家の仕事や必要なスキル、生計を立てるための現実性、キャリアパスについて説明します。陶芸家として成功するためのポイントについても解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
陶芸家について
陶芸家とは焼き物をつくる職人のことです。成形した粘土を釜で焼いて、食器や花器などをつくり、販売しています。原料となる土や石の産地にこだわったり、伝統的な技法を学んだりして、オリジナリティ溢れる作品をつくる仕事です。陶芸家の仕事の流れを説明します。 まずは、茶碗やコップなど、目的や用途に応じて、デザインを考えます。実際に使用している様子をイメージしながら、大きさや形、色、原料などを細かく決定するのがポイントです。 つぎに、細かく砕いた原料に、水を加えて粘土をつくります。デザインをもとに、ろくろなどを使用しながら、粘土の形を整えます。 成形した粘土を窯で素焼きしたあとに行うのが釉薬による色付けや絵具による彩色です。色付けは粘土の素材を活かしながら全体を著色したり、絵や模様を描いたりします。 色付けや彩色を行った後、釜で本焼きをしたら作品の完成です。できあがった作品は個人で直接販売したり、雑貨店などへ卸したりして収入を得ます。
陶芸家に必要なスキル
陶芸家には作品をつくる「器用さ」が必要です。デザインをもとに、大きさや形、色、窯の温度、焼きあげる時間を微調整して、1点ものの作品をつくります。特にデザイン・成形・色塗りの工程では器用さが求められるでしょう。 知識を学んだり、技術を身につけたりする「努力」も欠かせません。原料の産地や成分、伝統技法などを学び、イメージどおりの作品をつくるために練習して腕を磨きます。 陶芸家として生計を立てるためには、作品を販売する努力も肝要です。販売先の開拓や、売れる作品づくりを研究する必要があります。