希少種保護へ夜間巡回 盗掘・盗採防止へ監視強化 奄美大島
世界自然遺産に登録されている鹿児島県奄美大島で希少な動植物の盗掘・盗採を防止しようと、関係機関による合同パトロールが23日、同島であった。各機関の担当者らが夜の森を車で巡回し、密猟者や不審な車両に目を光らせた。希少なクワガタなどの活動が活発になる秋ごろまでパトロールを継続し、監視を強化する。 パトロールは環境省、林野庁、鹿児島県、島内5市町村で組織する奄美大島自然保護協議会、警察などが合同で実施。23日は5人が参加し、希少昆虫類の生息場所でもある国立公園区域や林道沿いで数時間、昆虫採集用のトラップ(わな)の有無や不審な人物がいないかなどを見回った。 環境省奄美群島国立公園管理事務所によると、奄美大島では今年、国立公園の特別地域内で、無許可での設置が禁止されている昆虫トラップが複数見つかっているという。 同管理事務所の釣谷洋輔離島希少種保全専門官は「少しの採取でも大勢の人が行えば、島の生態系が損なわれてしまう。法律や条令を守った上で島の自然を楽しんでほしい」と呼び掛けた。