【卵子提供の光と影】150万円でドナー募る仲介業者も...一方で報酬もらわず卵子提供するドナー「幸せになる家庭が一個増えるなら」 さらに『出自を知る権利』の課題も
第三者からの卵子を提供するNPO法人 ドナーは原則ボランティア
不妊治療をする人の中で、卵子提供も選択肢として一筋の光となっている。NPO法人「ODーNET」は、早発閉経など自分の卵子では妊娠できない女性(43歳未満)に対して、第三者からの卵子を提供している。 (NPO法人ODーNET 岸本佐智子代表)「300人近くの方から問い合わせをいただいています。ご夫婦の不妊治療を何十回もされた方、どうしても卵子が取れない方で、卵子提供でご主人と遺伝子を残したいと」 ドナーには原則、ボランティアでの卵子提供をお願いしていて(※休業補償20万円を支払う)、約10年間で12人の子どもが生まれ、現在も6人が妊娠中だ。一方で、こんな相談も多いという。 (岸本佐智子代表)「他のエージェントさんで登録された方の涙のお電話もすごく多いんです。カウンセリングもない、費用もすごく高額ということもありました」
「ドナーへの謝礼金は150万円ぐらい」アメリカで日本人向けに卵子提供する仲介業者に聞く
2003年の国の報告書では、第三者からの卵子提供について「商業主義を排除する」と明記。医療費や休業などに伴う実費以外の対価を禁止している。 しかし、インターネットで「卵子提供」と検索すると、高額報酬をうたい日本人の卵子ドナーを募集する業者も見受けられる。アメリカで日本人向けに卵子提供を行う仲介業者に話を聞くことができた。 (卵子提供の仲介業者)「だいたい日本人の方は日本人のドナーを希望する方が多いですね。ドナーへの謝礼金として1万ドル、日本円にすると150万円ぐらいになると思います。基本は若くて健康な女性ですね。身長は平均以上あればOKという方が多い」 そして、こうも話した。 (記者)「日本で卵子提供を行なうのはハードルが高い?」 (卵子提供の仲介業者)「日本は現在、法律がないので、もし何かあった時に責任が取れないので、ちょっとあの…日本では、うちはできないです」 さらに、別の中国の業者は120~300万円の報酬をドナーに支払うという。 (記者)「日本人ドナーの卵子は誰に提供される?」 (中国の仲介業者)「お客さんの大部分は中国の富裕層、台湾や日本人の卵子が結構人気」 (記者)「どういう基準で卵子ドナーを選ぶ?」 (中国の仲介業者)「写真をお客さんに見せないとマッチングできない。あとは学歴や身長、卵がどれだけ取れるかを重視している」 この中国の仲介業者は日本人ドナーを増やすため、いずれ日本に進出する予定だとも話した。