すべては来季のために。野球選手にとっての「オフシーズン」【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第94回
阪神の優勝で幕を閉じたプロ野球。テレビや新聞を賑わせているのは大谷翔平選手や山本由伸選手のドジャースへの移籍ですが、実はこの時期、選手たちは地道にトレーニングを続けているのです。本年最後の連載は、「オフシーズン」についてお話しさせてください。 【写真】山本キャスターの最新フォトギャラリー 5年間キャスターを担当させていただいた『ワースポ×MLB』(NHK BS1)は週5回の生放送で、シーズン中は野球選手と同じようなスケジュールで動いていました。そして11月にシーズンが終わると、キャンプインまでの間は束の間のオフ。オフシーズンになると、ホッとすると同時に、緊張が緩みすぎないように気をつけていました。 オフシーズンに心掛けていたのは、体調を崩さないことです。というのも、放送が終わって家に帰る頃にはすでに外は明るく、昼頃に床に着くこともありましたし、生活リズムもお肌もボロボロ(涙)。だからこそ、オフシーズンは、明るいうちからご飯を食べて(もちろんお酒も飲んで)、心身のバランスを整えることを意識していました。 オフ期間の選手たちはどう過ごしているのでしょうか。以前、五十嵐亮太さん夫妻にお声かけいただき、ヤクルトの石川雅規投手夫妻と食事をしたことがあったのですが、石川投手は「オフしかお酒を飲まない」と聞きました。ベテランと呼ばれる年齢になり、いつまで野球選手でいられるかわからない。だから、シーズン中は少しでもいいパフォーマンスを見せるために、決してお酒を飲まないんだとか。オフには少しだけ解禁するけれど、野球のことが頭から離れることはないそうです。 体が資本の野球選手たちは、オフシーズンでも体を整えることを常に意識しています。シーズン中の選手たちは、ナイターもあれば昼の試合もありますし、遠征もあります。ナイトゲーム終わりの食事はどうしても時間が遅くなり、翌日も試合がありますからお腹が減っていても暴飲暴食はできません。リズムを整えることの難しさは想像に難くありません。 だからこそ、オフシーズンはしっかり時間を管理して、心と体のケアを意識するようです。オフだからこそ、規則正しく過ごす。矛盾しているようですが、それがプロとして生きていくための心構えなのです。