イスラエル軍、ハマスのシンワル指導者「最期の瞬間」新たな映像公開 停戦の期待さらに遠のく
イスラエル軍は20日、レバノン首都ベイルートにある親イラン武装組織ヒズボラの情報機関本部と武器製造用の地下施設を攻撃したと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相は前日19日、同氏の自宅に向けて無人機(ドローン)が発射されたとして「重大な過ち」と非難していた。イスラム組織ハマスの最高指導者シンワル氏が16日に死亡したことを受けて停戦実現の見込みが薄れる中、イスラエル軍はレバノンやパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けている。 イスラエル軍は20日、レバノン首都ベイルートとガザへの攻撃を実施。ネタニヤフ首相は前日、ヒズボラによる「暗殺未遂があった」と述べていた。 イスラエル軍は20日、ベイルートのヒズボラ情報機関本部を攻撃したとする映像を公開。ロイターは動画が撮影された日付と場所を独自に確認することはできなかった。 ヒズボラも週末を通じ、イスラエル北部へロケット弾の発射を続けた。 イスラエルの報道官は19日、ネタニヤフ首相の自宅に向けてドローンが発射されたと発表。首相は当時、現場におらず自宅の被害状況は明らかになっていない。ネタニヤフ首相は「重大な過ち」と非難し、イランのミサイル攻撃への報復を準備中だと述べた。ヒズボラは現時点でコメントを発表していない。 ガザでは19日、イスラエル軍の攻撃により地区全域で100人以上が死亡。北部ベイトラヒアにある建物への空爆で多くが犠牲となったという。 ハマスの最高指導者シンワル氏が16日に死亡したことを受け、イスラエル軍とガザ地区やレバノンとの停戦が実現する見込みは薄れつつある。 イスラエル軍は19日、同軍の戦車がシンワル氏のいた建物を破壊する前の最期の瞬間を捉えたとする映像を公開。ロイターは映像の撮影場所を確認したが日付は確認できなかった。 オースティン米国防長官は19日、ガザ地区への人道支援の強化を求めていると発言。米国は、イスラエルがベイルートと周辺への攻撃を縮小することを望んでいると述べた。 ただ複数の情報筋は、イスラエル軍が米大統領選が迫る中で軍事作戦を強化し、次期大統領が1月に就任するまで時間を稼ごうとしていると指摘した。