広島じゃけん《お好み焼き》(4)“黒”に“白”に“3D”…ニュータイプ出現
本場の広島市内の店も負けてはいない。 “3Dお好み焼き”と聞かされると「何ソレ、もともと立体でしょ?」と言いたくなるが、写真を見ていただけると納得してもらえるだろう。見事なドーム型の“ 3D”だ。 広島駅前のビル7階にある電光石火駅前広場店は、お好み焼き店が10数店舗集まった「駅前広場」の中でも頻繁に行列が出来る店であり、2013年にはミシュランガイド広島版でビブグルマンに選ばれて掲載された。また、斬新なのは見た目だけでなく、揚げイカ天と刻み大葉が多めに入った中身は豚肉の僅かな臭みさえ消し、卵を2個使って作られるフワフワのお好み焼きは甘口のソースと絶妙に合う味だった。 もちろん、昔ながらの“本流”も根強い人気がある。 草分けの一つ「みっちゃん総本店」(広島市中区八丁堀)をはじめとして王道を極めたといわれ、人気の八昌(広島市中区薬研堀)や麗ちゃん(広島市中区松原町)という有名店では連日行列が出来ていて並ばないと食べられない事も多いが、有名店で修行し、同等もしくはそれ以上の味を提供するお好み焼き店は市内に数多くある。 また、路地裏で年配のおばちゃんが焼くような昔からある店は、その町の密かな名物でもあり、常連が多く通うコミュニケーションの場になっている。 卵と麺と小麦粉にキャベツ、少しの肉と天かすやとろろ昆布、魚粉などで出来たお好み焼きは、栄養構成の面でも優れた食事だ。鉄板を家庭で準備するのは難しいが、実はフライパンでも作ることが出来るので、是非挑戦して欲しい。 写真・文責 友廣義明