「五輪マークをエッフェル塔に残す」パリ市長の決定が物議…、文化大臣や設計者ギュスターブ・エッフェルの子孫、市民は永久設置に反対
エッフェル塔に取り付けられた五輪マークが、物議を醸している。現地8月31日に仏紙『Ouest-France』がパリ市長、アンヌ・イダルゴのインタビュー記事を掲載。イダルゴ市長は、エッフェル塔に取り付けられた五輪マークが今後もそのまま残ると語った。 【画像】史上初めて競技場外で行なわれたパリ五輪開会式の名場面を厳選ショットでお届け! 「決定権はパリ市長の私にあり、IOC(国際オリンピック委員会)の同意も得ている。五輪マークはエッフェル塔に残るでしょう」 現在エッフェル塔に設置されている五輪マークは重量があり、長期の設置や冬の強風に耐えられないと想定されており、イダルゴ市長は「軽い物を作ってもらい、できるだけ早く付け替えたい。IOCと協力して取り組んでいく」と語っている。 こうした発言に、各方面から批判が相次いだ。フランス文化大臣のラシダ・ダティは自身のX(旧ツイッター)で、次のように主張した。 「エッフェル塔は保護された記念碑であり、偉大な技術者と創造者の作品である。エッフェル塔の建築とその作品を尊重するため、大幅な改造を加える場合は、フランス文化遺産法典に基づく認可を受け、影響評価をする必要もある。五輪シンボルの吊り下げは、オリンピック法によって一時的に認められたもの。この分野で何らかの決定や発表がなされる前に、遺産保護を目的としたすべての手続きと協議が尊重されることが重要だ」 またエッフェル塔を設計したギュスターブ・エッフェルの子孫協会も「承認していない」と声明を発表。「135年前の建設以来、パリ、ひいては世界におけるフランスそのものの象徴となっているエッフェル塔に、外部組織の象徴が加えられるのは適切ではない」と理由を説明した。 ギュスターブ・エッフェルの玄孫で、子孫協会のオリビエ=ベルトロー・エッフェル会長は仏通信社『AFP』の取材に対して、「エッフェル塔は広告アンテナを目的としたものではない。イダルゴ市長はオリンピックの輪を維持すると言う前に、パリ市議会や専門家に意見を求めるべきだった」とし、「パラリンピックが終わった後、もう少しだけ存続させてはどうだろうか。それであれば何の問題もない」と語っている。 パリ市民も反対の声を挙げている。仏メディア『RMC Sport』は、「例えば1年間だけならいいかもしれないが、永遠に設置されるのは反対だ」「五輪の期間だけにとどめておくべき」といった市民の反対意見を紹介。さらに「市長の決定に反対するためのオンライン請願が開始され、1900を超える署名があった」とも伝えた。 反対意見が数多く寄せられているなか、はたしてエッフェル塔の五輪マークは今後も残り続けるのだろうか。 構成●THE DIGEST編集部
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