開発見直しで「220億円特損」、スクエニが抱える苦悩 収益悪化でゲームの開発方針を大幅転換へ
内部開発の強化に向けて、4月には組織体制も変更した。「組織が縦割りで、情報の横連携ができていなかった」(スクエニ)として、これまでの事業部制を廃止し、開発人材の有効活用やノウハウの共有を進める方針だ。タイトルポートフォリオの管理が行き届かず、自社が手がける複数のタイトルが同時期に発売されたことで需要を食い合ってしまう状況も発生していたといい、タイトルの進捗管理プロセス全体も見直す。 「ある程度の規模のHDゲームを開発するには5年はかかる」(業界関係者)とされ、今回の改革の成果が発売タイトルの中身や業績に反映されるには、相応の時間を要するだろう。
一方で、ゲーム市場を取り巻く環境の変化はめまぐるしい。移ろいやすいユーザーの嗜好を的確にキャッチしながら、安定的に収益を生み出し続ける体質に変革できるか。重要な局面を迎えている。
田中 理瑛 :東洋経済 記者