掛布雅之が「結果を出し続ける」ために大切にしてきたこと…突き抜けた選手になるには「本当の継続」が必要だ
テスト生同然の「高卒ドラフト6位」で、プロ野球・阪神タイガースに入団した掛布雅之氏。どん底からのスタートだった掛布氏は、いかにして「ミスタータイガース」と呼ばれるまでになったのか……。このたび上梓した著書『掛布の打撃論』も話題の掛布氏が、ビジネスパーソンにも役立つ、成長と成功の極意を明らかにする。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの…
「弱い心」に打ち勝つためには?
「継続する」というのは大変なことですが、野球において本当の継続とは何か。実は、みんな自分は「継続している」と思っているのです。 でも、プロ野球や部活で毎日練習していることは義務であり仕事で、継続に入らないのです。別の言い方をすると、決められたメニューをやらされる練習に「継続」はないということです。 全体練習が終わってヘトヘトになってからが自分との勝負の時間です。10分でも20分でもいいから、自分だけの基礎的な練習を続けられるかどうか。 人間誰でも「きょう1日ぐらいはいいか」と流されてしまいそうになるものです。その弱い心に打ち勝つには、楽しむこともそうですが、それだけでは足りません。やはり悔しさだとか、怖さだとか、そういうものを忘れないことが大切だと思うのです。
楽しさや喜びだけでなく怖さを知る
私の場合でいうと、4番打者としてさまざまなプレッシャーと戦いましたが、その中で一番大きいのが「結果を出せない怖さ」でした。 部活でいうと、レギュラーから外されるというのも同じ種類のプレッシャーになるでしょう。何万人が期待している中で結果を残せない怖さは、経験した人でないとわかりません。 他の人と同じ練習をしているだけでは、そこで結果を出せる突き抜けた選手にはなれないのです。部活でもレギュラーを取ったら終わりではありません。結果を出し続けないと、次の人間に奪われるのですから。だから「継続」に終わりはないのです。 ですから楽しさや喜びだけでなく、怖さを知ることが必要なのです。それは、プロ野球の世界で1軍を経験した人間なら誰しも感じることだと思います。 ナインと一緒にベンチで盛り上がることも大切ですが、根っこの部分では「ライバルに負けちゃダメだ」というものがないといけないのです。 仮にポジション争いをしている選手がホームランを打ったとします。それをベンチで喜ぶのはいいのですが、気持ちの中で「クソッ、負けてられるか」という反発心がほしいのです。そういう気持ちがチームを強くすると思うのです。