「めちゃくちゃ閉店してる」との声もあるが…。「ミスド」長寿店舗・秋葉原店が閉店も、業績は”絶好調”の背景
「ミスタードーナツ、いつどの店舗に行ってもめちゃくちゃ混んでるのに、めちゃくちゃ閉店している」という旨のポストがX上でバズった。 【画像で見る】ミスドの店舗数は減ってる? 客数や客単価は この投稿の背景には、10月31日にミスド秋葉原店が閉店したことがある。秋葉原店の開業は1972年。2024年で開業52年となる長寿店舗だ。近年では外国人観光客の増加に伴い、週末ともなればその店舗には多くの行列ができ「なぜそんな店舗が閉店を?」ということが、ちょっとした違和感をもたらしたのだろう。
この投稿では、実際に多くの人がその店舗を利用していたことや同店舗の長い歴史にも言及しながら、「どんなシナリオなら閉店しなかったのだろうか」と投稿を続けている。 ■本当に大量閉店なのか? 調子が悪い? では、ミスドは調子が悪いのか? 【画像8枚】「めちゃくちゃ閉店してる」との声もあるが…。業績絶好調のミスド、背景には時代を読んだ「空間戦略」があった そんなことはない。ミスドは大量閉店していないし、なんならその業績は好調だ。
筆者にはこの投稿が間違っている、と批判する意図はない。ただ、実はこのポストには、近年のミスドの変化が顕著に表われていると思ったので、解説したい。 ■客数も客単価も増加している 実際、ミスドの業績はどうなっているのか。同ブランドを運営するダスキンの2024年3月期決算資料を見てみると、ほとんどの売り上げをミスドが占めるフードグループの売上高は約584億円。 前期の約489億円から19.6%の増加をしており、期のはじめに予想として出した567億円よりも上回る結果となった。
こうした売上高を支えるのが、客数と客単価の増加。客単価についても6.1%の上昇で、客数も11.9%増加。ここ数年で何度かの値上げを行っているが、客離れが起きるどころか、客数は増えているのだ。簡単に言えば、「絶好調」といったところである。 では、冒頭の投稿で話題になっていた店舗数についてはどうだろうか。同決算資料を見てみると、2024年3月時点の稼働店舗数は全国で1017店舗。前期の新規出店は39店舗で、1000店舗の大台を回復している。