西日本短大付が2季連続甲子園へ前進 エース中野琉碧の3点三塁打から14得点 聖心ウルスラ学園を7回コールドで圧倒【高校野球九州大会】
◆九州地区高校野球1回戦 西日本短大付14―2聖心ウルスラ学園(7回コールド)(27日、大分・佐伯中央病院スタジアム) ■秋季九州大会組み合わせ&結果はこちらから 2季連続甲子園出場を目指す西日本短大付が九州大会で好スタートを切った。10安打で14得点と自慢の打線が爆発。猛攻の口火を切ったのは、9番のエース中野琉碧(2年)だ。 中野は2回1死満塁で左越えに走者一掃の三塁打。この先制打で目覚めた打線は、4番佐藤仁(2年)の適時二塁打など打者10人の攻撃で一挙6得点。3回にも6番山下航輝(2年)のソロ本塁打などで4点を加えた。 大量得点の流れをつくり、チームメートの緊張をほぐした中野は「打撃の調子はいいです。バットをどんどん振るようにしたら自然と打てるようになった」と笑みを見せた。 福岡大会では福岡第一との5回戦で本塁打を放った。「夏までは『中野が打席に立ったら1アウトやなって』みんなにからかわれていたのが本塁打を打ったり、本当に調子がいいんです」と西村慎太郎監督もエースの「打撃開眼」に驚いている。 投球の方は「ちょっと力んでしまった」と打撃とは対照的だった。2四球を与えた初回は2死満塁のピンチをしのいだが、6回2失点で5四球を与えた投球内容に「変化球でストライクが取れず、まっすぐで打たせて取りました。野手が守ってくれたので抑えられました」と顔を曇らせた。西村監督も「いつもの投球ではなかった。やっぱり高校生だし硬くなっていたのかなと思います」と九州大会初戦の投球を評した。 3回戦まで勝ち進んだ今夏の甲子園では2試合に救援登板。「甲子園を経験して、緊張することがなくなって楽しめるようになった」と話す。秋の福岡大会は全7試合に登板し5試合で先発。誰もが認めるエースとしてチームを引っ張っている。父はJR九州の中野滋樹監督。日本選手権初戦を11月1日に控えながら、時間をつくってスタンドに駆けつけた父へ勝利を見せることができた。 秋の九州大会は4強に進めば、来春の選抜大会出場へ大きく前進する。2022年秋は海星(長崎)との準々決勝で9回に勝ち越されて惜敗。当時は入学前だったが、西村監督から先輩の悔しさは聞いた。「選抜大会出場を目標に頑張ってきたので、1個ずつ勝って目標を達成したい」。エースは29日に中1日で迎える有明(熊本)との準々決勝を見据えた。(前田泰子)
西日本新聞社