BSA「ゴールドスター」日本上陸ほぼ確! 650ccビッグシングルを搭載する唯一のクラシックモデル
新しいゴールドスターは、最新の排出ガス規制に適合する水冷DOHC単気筒エンジンを、英国で設計されたというスチール製フレームに搭載。ネオクラシックカテゴリーとしては唯一といっていい“500cc超”のビッグシングル、つまり大排気量の単気筒エンジンを採用しているのが最大の特徴だろう。 この652cc単気筒は、かつてBMWのF650シリーズなどが搭載したロータックス設計のエンジンを基にしているというが、シリンダーには冷却フィンが刻まれ、ケースカバーや吸排気系の意匠もクラシカルな雰囲気に改められている。 生産はインドで行われるが、今のところ販売されているのは英国をはじめとした欧州西部地域、そしてアジアで唯一、フィリピンに導入されているのみ。この販売網に日本が加わる。ちなみに生産国であるインドでは販売されていないが、インドではすでに自転車メーカーがBSAブランドを持っているから、という事情もあるようだ。
ツインが主流のカテゴリーにビッグシングルを投入、さすがの力強さ
今回の車両はウイングフットが試験的に輸入したもので、特に日本向けの仕様にはなっていないが、排ガスはクリーンで拍子抜けするほど簡単に検査を通過、登録できてしまったという。 新生ゴールドスターを前にすると、まず目に飛び込んでくるのはやはりビッグサイズの単気筒エンジン。シリンダーにはしっかり冷却効果も得られそうなフィンが存在するものの、冷却方式のメインは水冷だ。 現在のところ、500cc超のクラスで完全なクラシックスタイルの単気筒マシンというのはほかにない。しいていえばハスクバーナのヴィットピレン701があったが、こちらはクラシカル寄りとはいえパフォーマンスシングルであり、さらに最新型は2気筒マシンに置き換えられている。 単気筒エンジンというのは最もシンプルかつバイクの基本。ただ、排気量が大きくなると振動や低速域でのギクシャク感といったネガも出やすく、ゴールドスターではどのように仕上げられているのか気になるところだ。 各部のディテールを見回すと、いい意味で普通。10年以上も前にあったような“インド生産だから”といった生産クオリティの不安は感じさせず、英国スタッフが手掛けたというデザインもよくまとまっている。 ──サイドカバーに控えめな『GOLD STAR』の文字。元々BSAは銃器を製造する会社だったため3丁の銃がトレードマークになっている。