災害から人々を守ることが夢の勇斗くんが選んだ推城3選!復興を願う人々の想いが伝わる〝熊本城〟
全国の歴史大好きキッズたちが自分たちの得意・好き分野の歴史的魅力スポットを紹介する「冬休みの歴史感想文」企画!「歴史は好きけど全国に足を運ぶのは難しい・・・」という歴史人キッズたちと一緒に楽しむことができるように魅力を紹介していきます。 将来の夢は「全国のお城を研究し、地震や天気についても研究し、お城とその周りに暮らす人々を災害から守ることができる人になること」と語る、小学4年生の中村勇斗くん。日本城郭検定準1級も保有するほど、お城好きな勇斗くんが推城を紹介するよ! 【県民の心を支える天下の名城!熊本城】 築城名人、加藤清正が建てたこだわりたっぷりの熊本城!ぼくは熊本地震の被害も知りたくて、2023年夏休みに訪れました。 ■地震大国 日本 2024年能登半島地震では、被害が大きく、たくさんの方が亡くなられ、とても悲しいです。犠牲者の方にぼくも手を合わせたいと思います。2016年の熊本地震でも大きな被害が出ました。ニュースで取り上げられることが少なくなっても、悲しみは消えていないし元通りになっていないものも多くあります。一方で、熊本県に一歩入ると、署名や寄付でお城をなんとしても守るぞ!という強い気持ちが伝わってきました。ぼくもほんの少し募金しました。熊本県のみなさんの心の支えでもある熊本城が無事に復興しますように! ■清正が建てた唯一の現存櫓!宇土櫓 本丸西側にあり、第三の天守と言われる「宇土櫓」。西南戦争でも西郷隆盛が「官軍に負けたのではない、清正公に負けたのだ」といったほど熊本城は堅固で、震度6の熊本地震でも生き残った不屈の櫓と言われています。間近で見ると、天守並みの壮大さ!会いたかった櫓にやっと会えて、しばらく動けなかったです。「ぼくもこれから先、辛いことがあっても凹んでたらいけないな。何回でもチャレンジしよう。」と自然と思わされるようなパワースポットでした。400年前からのピンチを乗り越え、解体直前のタイミングでこの櫓に出会えて本当に良かったです。感謝! ■難攻不落の象徴!連続桝形虎口! 桝形虎口は、お米やお酒を計る容器のように四角い桝形に敵を集め、四方から一掃する仕掛けで、他のお城にも使われています。熊本城はなんと2つ連続!地震で崩れているため修復中でしたが、上から見ても感動するほどでした。ぼくならこんなところに先陣を切って絶対に突入したくないです!虎口はもちろん、壁や床に隠されたかんぴょうやイモの茎など清正が朝鮮出兵の時に痛い思いをした経験を生かしているのがよく伝わるお城だなと思いました。 ■︎2つの時代の石垣が同時に見られるよ! 異なる2つの時代の石垣を同時に見られる「二様の石垣」!右側の反りが緩やかなものは加藤清正時代、左側の反りが急なものは細川忠広時代。ぼくは萩城など反りのきれいな石垣が好きだから、同時に2種類の積み方を見られて贅沢な気分でした。穴太衆(石積み専門グループ)の技術も、あの時代にこれだけのものを作れる経済力と政治力もすごいとしか言えません。是非いろんな角度から見てほしいです! ■最後に お正月の地震では、金沢城の石垣が崩れて、悔しい気持ちです。全国ニュースだけでは想像もできないような大変な状況が被災地では今も続いていると考えたら、心配になります。歴史が備えろ!と教えてくれている気がします。災害をゼロにはできないけれど、ぼくは地震や天気の研究をして、辛い思いをする人を1人でも少なくしたいと思っています。ピンチに何回も耐えてきた熊本城に負けないように、ぼくもがんばりたいです。
中村勇斗