広島・坂倉 連敗止めた!4年連続2桁V10号!「いい打球が飛んでいる証拠」 1ゲーム差キープ「されど1勝。甘んじず」
「広島2-1中日」(7日、マツダスタジアム) 広島が接戦を制して連敗を4で止めた。勝利の立役者は坂倉将吾捕手(26)だ。四回2死で右越えに決勝の10号ソロ。チームとして5試合ぶりの先制点をもぎ取り、4年連続の2桁本塁打に到達した。チームは3年連続でシーズンのマツダスタジアム勝ち越しを決め、首位・巨人とは1ゲーム差をキープ。中軸を担う背番号31が9月戦線を支えていく。 【写真】可愛いホームランガールからスラィリーを受け取る坂倉 打球の行方を目で追いながら、坂倉は悠然と歩き出した。これが中軸の仕事。青空に伸びた放物線が、勝利への道を明るく照らす。大歓声を背に受けながらダイヤモンドを一周したヒーローは「最近、野手が打てなくて投手を助けてあげられていなかった。何とか先に(得点を)という思いで先に取れたので良かった」と笑顔で振り返った。 四回2死。カウント3-1から福谷の直球を完璧に振り抜き、打った瞬間に本塁打を確信した。豪快な一発が右翼スタンド中段に着弾すると、昼下がりの本拠地は歓喜に包まれた。これで4年連続の2桁本塁打。前半戦は打率・203、4本塁打、18打点と苦しんだ一方、盛り返して10号に到達。「ホームランバッターじゃないけど、いい打球が飛んでいる証拠。2桁はうれしいです」と素直な心境を明かした。 試合前時点で今月の打率は5試合で・158。「9月に入って情けない打席が続いていた」と期する思いがあった。6日の一戦では、3点を追う初回1死満塁の好機で初球を打ち上げ、捕邪飛。チームは無得点に終わり、19度目の完封負けを喫していた。 「取れるところで取れなかった。自分の打席が一番大きく(試合を)左右していたと思うので。そういう責任を感じながら」と使命感を増幅させて、価値ある一発を放った。二回1死ではラッキーな左前への二塁打を放っており、7試合ぶりの複数安打。新井監督は「昨日の試合の悔しさもあったんじゃないですか。ナイスバッティングです」と拍手を送った。 この日は坂倉の前の背番号31、石原バッテリーコーチの誕生日で「石原さんのために打ちました」とうなずく。捕手専任で挑んだ昨年から、毎日のように指導を受けてレベルアップに励んできた。「僕が去年、キャッチャーに戻るタイミングで一番コミュニケーションを取ったコーチだと思います。今もすごくありがたい存在です」と施してくれるサポートに感謝は尽きない。 チームは連敗を4で止め、首位・巨人とは1ゲーム差を保った。「大きな1勝だと思いますけど、されど1勝だと思う。甘んじず、連勝ができるようにしたい」と表情を引き締めた坂倉。シーズン最終盤、しびれる場面でまばゆい輝きを放つ。