「あなたが1年で稼いでみたい金額は?」「それに5を掛けた額は?」たった2つの問いで導き出せる<すべての苦しみの根源>とは
内閣府が発表した、令和4年度の国民生活に関する世論調査によると、日常生活で悩みや不安を「感じている」と回答した人の割合が78%でした。内容としては、「老後の生活設計」や「自分の健康」、「今後の収入や資産の見通し」などが多く、快適な暮らしができるようになった一方、精神的な不安を抱えている人も多くいます。世界33ヵ国語で翻訳された『考えすぎない練習』によると、悩みや不安の根本原因は「考えすぎ」にあるとのこと。今回は、「考え」と「思考」の違いについてご紹介します。 【書影】ネガティブな思考や感情を手放し、心の自由を手に入れることができる『考えすぎない練習』(著:ジョセフ・グエン) * * * * * * * ◆「考え」は自然に生じるもの 「考え(Thoughts)」は、私たちがこの世のあらゆるものをつくりだすための「知的素材」です。それはエネルギーに満ちています。考えがなければ、私たちは何も経験できません。 「考え」は名詞、つまり物の名前であり、私たちが「行っている」行為ではなく、「持っている」ものだと理解しておくことが重要です。 「考え」を持つのに労力はいりません。考えは自然に生じるものです。どんな考えが頭に浮かぶのかをコントロールすることもできません。考えの源は、私たちの理解を超えた存在からもたらされます。 一方、「思考(考えること・Thinking)」は自分の考えについて思考する行為です。思考するためには相当量のエネルギーや労力、(限りあるリソースである)意志力が必要です。 思考するというのは、自分の頭の中の考えと積極的に向き合うことです。頭の中のすべての考えと向き合う必要はありませんが、考えと向き合えば、それは思考することになります。
◆「思考」は精神的な苦しみの根本原因 あなたはここで、ポジティブな考えというのはどこから生じるのかと疑問に思うかもしれません。ポジティブな考え、良い気分になる考えは、考えた結果生じるものではありません。安らぎや愛、喜びのある自然な状態から生まれます。これらは思考している状態ではなく、ただ存在する状態の副産物です。 ではここで、簡単な思考実験をしてみましょう。 私から質問するので、あなたはただ自分が経験していることに意識を向けてください。後で何が起きていたかを検証します。 Q. あなたが1年で稼いでみたい理想の金額はいくらですか? ここで一呼吸置いて、答えが浮かんでくるのを待ちます。 約30~60秒の時間をとって、1年で稼いでみたい金額に関する自分の答えについて考えてください。 稼いでみたい金額について十分な長さの考えがまとまるまで、次のステップに進んではいけません。 次に、最初に浮かんだ金額に5を掛けてください。