ブラジル中銀が1%に利上げペース加速、同幅の追加引き締めも示唆
Marcela Ayres [ブラジリア 11日 ロイター] - ブラジル中央銀行は11日の金融政策委員会(COPOM)で、政策金利を100ベーシスポイント(bp)引き上げ、12.25%とした。財政懸念に伴う通貨安などで高まるインフレ圧力に対処するため、利上げペースを前回の倍に加速させた。 決定は全会一致。今後2会合でさらに同幅の利上げを実施する見通しも示した。政策金利は早ければ来年3月にも14.25%に達する可能性がある。 中銀は政府が最近発表した財政政策による資産価格やインフレ期待、為替相場への悪影響に言及。声明で「委員会はこれらの影響がインフレ動向の悪化につながっていると判断している」と述べた。 待ち望まれていたルラ政権の歳出削減策が期待に届かず、増大する公的債務へ政府の対応を巡る信頼感が揺らいでいる。 ウェイ・インベスティメントスのチーフエコノミスト、アレクサンドル・エスピリト・サント氏は「われわれの解釈では声明は激烈で、少なくともあと200bpという明確なガイダンスがあった」と述べた。 また、中銀の行動は適切だったとしつつ、1月の総裁交代に焦点が移りつつある現在、期待を管理することは極めて困難なタスクだと指摘した。 Fatorのチーフエコノミスト、ホセ・フランシスコ・ゴンカルベス氏は「中銀がショックアプローチを選択したことで、『財政支配』というさらなるリスクが復活した」と語った。 いわゆる財政支配下では、中銀の利上げは政府の債務返済コストを増加させ、財政状況を悪化させ、市場の期待を悪化させ、最終的にインフレ率を上昇させる。 ブラジル中銀は9月に利上げを開始し、引き締めサイクル全般の規模は3%のインフレ目標達成への確固としたコミットメントによって決まると強調。このメッセージは11日も変わらなかった。 ロイター調査ではエコノミスト40人のうち、100bpの利上げを予想していたのはわずか4人だった。過半数の31人は75bp幅を予想していた。 中銀は11日、インフレ率予測を修正。今年が4.9%(従来4.6%)に、2025年が4.5%(同3.9%)になる見通し。現在の金融政策決定によって影響を受ける今後18カ月に含まれる26年第2・四半期についても、前年比インフレ率は4.0%と、従来の3.6%から引き上げた。