ノリス、赤旗での順位巻き戻しルールにモヤモヤ「フェアじゃないように感じる」接触で後退のサインツJr.にとっては救いの手
F1モナコGP決勝のオープニングラップでフェラーリのカルロス・サインツJr.は大きくポジションを下げたが、その直後の赤旗中断で帳消しに。リスタート時には本来のグリッド位置へ戻ることができた。 【動画】オープニングラップに衝撃の大クラッシュ発生! ペレスのマシンは見るも無惨な姿に|F1モナコGP これについて、実質的にポジションを下げられることとなったマクラーレンのランド・ノリスは「もどかしさと不公平さ」を感じたという。 3番手スタートのサインツJr.は、ターン1“サンテ・デボーテ”でフロントロウスタートだったマクラーレンのオスカー・ピアストリと接触。これでサインツJr.はパンクを喫し、ターン4“カジノ・スクエア”を曲がりきれず、退避エリアに直進した。 これでサインツJr.は大きくポジションを下げたが、後方ではレッドブルのセルジオ・ペレスとハースの2台が絡む大クラッシュが発生……赤旗が提示され、レースが振り出しに戻ったことで、サインツJr.に救いの手が差し伸べられた。 F1のスポーティングレギュレーションによると、再スタート時の順位は「全車のポジションが確定できた最後のポイントで決定される。そのような車両は全て、スプリントセッションまたはレースでの再始動が許可される」と規定されている。 赤旗が提示される前に、ほとんどのマシンがターン5“ミラボー”までのセクター1を通過していたが、目の前で大クラッシュが発生したキック・ザウバーの周冠宇は、クラッシュ地点手前で減速。ミラボーを通過していなかった。そのためFIAは第2セーフティカーラインでの順位、つまりクラッシュしたマシンを除く本来のグリッド位置をリスタート時に適用する必要があると決定した。 その結果、サインツJr.は最後尾からのリスタートを免れ、本来の3番グリッドに復帰。レースでは3位表彰台を獲得した。 サインツJr.の後退によって赤旗が提示されるまで3番手を走っていたノリスにとっては、サインツJr.が3番手に戻ってきたことは喜ばしいことではなかった。 「これが1番フェアなことだとは思わないけど、僕が幸運にもマシンを戻してもらえたとか、そういうことが過去にあったかもしれない」とノリスは語った。 「誰かがミスを犯し、ある程度の台数がいたとか、ルールがどうであれ……そういう理由でミスを帳消しにしてフリーストップを得られるというのは、ただ単刀直入に考えれば、もどかしいし不公平だ。フェアじゃないよ」 こうしたレギュレーションに対して、理解が難しいと考えているのはノリスだけではない。メルセデスのジョージ・ラッセルは次のように語った。 「正しくないよ。正確なレギュレーションは分からないけど、ちょっと変だよね」 マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、レギュレーションが正しく履行されたと認めながらも、サインツJr.に運が味方したと認めた。 「再スタート順の決定方法に関しては、FIAはベストなことを行なったと思う」 ステラ代表はそう語り、ピアストリとの接触だけでなく、予選での他車妨害に関して“お咎めなし”との裁定が下ったことにも触れ、次のように続けた。 「また、セクタータイムが得られない場合に、第2セーフティカーラインを使うという前例にも合致している。ミニセクターを使うのは良い方法だとは思わない」 「カルロスを救ったのは、見ての通り、レースが中断された時点で周がセクタータイムを越えていなかったことだ。カルロスはラッキーだね」 「今回、彼はラッキーだったが、スチュワードの寛大な措置も受けた。ターン1での接触は明らかに、オスカーのマシンに大ダメージを与えたからね。これは土曜日の走行妨害を象徴している」 「カルロスはラッキーだと言ったが、このおかげで彼は表彰台を掴んだんだ」 「彼に関して我々も嬉しいが、特に土曜日の走行妨害に関しては(ピアストリが妨害でペナルティを受けた)イモラと何が違ったのか、まだ不可解だ」