平井卓也氏

【2024年秋・衆院選】 香川1区（高松市の一部、小豆島町など）には、主要政党の候補者がほぼ出そろっている。そして事実上、自民党前職の平井卓也元デジタル相と、立憲民主党前職の小川淳也幹事長による一騎打ちだ。 【表でみる】夕刊フジが作成した「落選危機にある大物・著名候補21人のリスト」 2人は2021年の前回衆院選でも激突し、小川氏が約2万票差で勝利した。平井氏は比例復活した。地元県議が振り返る。 「それまでは平井氏が常に勝ち、小川氏が比例で救われてきたので驚いた。逆転の背景は、小川氏を追いかけたドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』が大ヒットして認知度が高まったことと、野党共闘で共産党が候補者擁立を取りやめたことだろう」 平井氏は18年から21年まで、初代デジタル相など、ほぼ切れ目なく閣僚を務めた。選挙前後も選挙中も、ほとんど選挙区に戻れなかった。 今回の戦いはどうか。選挙アナリストは分析する。 「小川氏としては、野党共闘が進まず共産党が候補者を擁立したことはデメリットだ。幹事長として全国を応援演説で回らざるを得ないため、自身の選挙区にはほとんど張り付けない。前回のような、映画の追い風もない」 ただ、小川氏は前回衆院選後、党代表選に出馬して存在感を示した。最近では、野田佳彦元首相を新代表に押し上げる原動力となり、その力量を買われて幹事長に抜擢（ばってき）された。 「今や党内で着実に力を蓄え、地元での認知度が高まっている。それが追い風になっている」（マスコミ関係者） 一方の平井氏はどうか。 「閣僚を外れて地元不在になることも減り、小さな集まりにも頻繁に顔を出し、きめ細かな政治活動をしている。『不覚はとらない』という強い姿勢のようだ」（同） 香川でも派閥裏金問題の影響はあり、「自民党にお灸を」という圧力がジワジワと高まっている。これを平井氏がどうはね返すのか。 過去の選挙データから判断すると、どちらが8万票を獲得するかがポイントか。　（ジャーナリスト・田村建雄） 【衆院香川1区】