【俳優・金子大地】いつか北海道が舞台の映画に参加したい
いつか叶えたい私のウィッシュ vol.3 俳優・金子大地
映画、お笑い、音楽などさまざまなシーンで活躍を広げる6組が今願うことは何だろう?それぞれの仕事に関する夢を聞きに行く。
今の自分の「もと」を作った場所、北海道が舞台の映画に参加したい
眼差しが印象的な人だ。『ナミビアの砂漠』(24)では映像クリエイターを演じ、その眼光で、繊細で神経質な性格を表現していた。生まれ育ったのは北海道。18歳のとき、俳優業のために上京した。地元自慢は?と尋ねたら、「いえ、特には…(笑)」と控えめな答えが返ってきた。 「でも、四季がきれいだし、穏やかな空気が流れていると思います。友達もみんないいやつで。僕にとって北海道は、なんでもない自分とリンクしている土地というか。素でいられる場所です」 特別でないことが特別。そんな故郷に、俳優の仕事で関わってみることが“ウィッシュ”だ。 「それこそ『北の国から』のような人間ドラマがいいなと。もちろん、美しい自然も映しながら。僕、その年に初めて雪が積もった日の朝が好きで。窓を開けたら一面真っ白という光景に、毎年ドキッとする。そんなシーンが入るとうれしいですね」 俳優になったきっかけは、イベント気分で友人たちとオーディションを受けたこと。どんな高校生だったか聞くと「普通でしたよ」と繰り返す。 「もしオーディションに行っていなかったら、今頃親戚の会社で働いていたと思います」 そう言いながら、東京で役者業に向き合う日々はもう10年目。2024年は事務所から独立し、名実ともに新たな1ページをめくった。 「自分の中で、なりたい俳優像が固まってきて。『そういえばこの人、良い作品にいろいろ出ているな』と思われる存在になりたい。まずは、そこを目指し続けます。北海道での映画は長いスパンで考えているので、50年後でもいいんです(笑)」 ●金子大地 かねこ・だいち>> 主演を務めた『猿楽町で会いましょう』(19)や、第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞作『ナミビアの砂漠』(24)などで注目を集める。釣りが趣味で、「マグロを竿で釣る」が今のミニウィッシュ。 Photo_Takao Iwasawa Styling_Shohei Kashima Hair&Make-up_Taro Yoshida Text_Motoko Kuroki