JPモルガンCEO、米国の景気後退の可能性まだ「排除しない」
(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は12日、米国がリセッション(景気後退)に陥る可能性を「排除しない」としながらも、米金融当局は利下げを待つべきだと述べた。
同氏は「世界はソフトランディング(軟着陸)の確率を恐らく70-80%と織り込んでいる」とした上で、「私は今後1、2年のソフトランディングの確率はその半分だと思う。最悪のケースはスタグフレーションだろう」と指摘。同氏は豪シドニーで開催された「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー・ビジネスサミット」でビデオリンクを通じて発言した。
経済指標は新型コロナウイルスによってゆがめられているため、同氏はそれを「差し引いて」受け止めており、米金融当局は利下げする前に状況がより明確になるのを待つべきだと述べた。
米金融当局は「いつでも迅速かつ劇的に利下げすることができる。ここでは若干、彼らの信頼性がかかっている」とし、「米国の失業率は現時点で極めて低く、賃金は上昇し続けている」と述べた。
その上で、米経済は現在「どちらかといえば好況」だが、リセッションのリスクは残っているとの見方を示した。
米大統領選
米大統領選についてダイモン氏は、バイデン大統領とトランプ前大統領の対決になった場合、勝敗を予想するのは難しいと語った。
「2人とも男性で高齢だが、どちらも病気にはならないだろう。神経を使う問題だ」とし、「サーカスのような大騒ぎになるだろう」と述べた。
同氏はトランプ氏について「素晴らしい政治家」としながらも、予測不可能だと評し、「トランプ氏が外交政策やそれにどう取り組みたいかについて語る時、もっと思慮深く、理性的に、落ち着いて話すことを望む」と語った。
ダイモン氏は以前、大統領選の共和党候補指名争いから撤退したヘイリー元国連大使への支持を表明していた。
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原題:Jamie Dimon Warns US Recession ‘Not Off the Table’ Yet (2)(抜粋)
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Harry Brumpton