19歳の愛娘が妊娠、中絶…“マインドコントロール”された私たちの娘――“悪質ホスト”に壊された家族 #ydocs
出会って半年で妊娠、中絶「それでも私は特別」
19歳の娘は、大学に入学した矢先にホストとの子を妊娠、そして中絶しました。母親は当時を思い出し、声を詰まらせながら私たちに話してくれました。 娘からは「相談したことをホストには内緒にして欲しい」と言われたといいます。中絶の同意書にサインをするためだけに病院に来た憎きホストに、声をかけることさえできませんでした。 娘の中絶手術に立ち会うという残酷すぎる現実。母親の怒りと絶望はいかほどのものだったのでしょうか。私たちはあえてつらい質問を投げかけました。 「娘さんも傷つき、お孫さんの命がなくなる場面を直視した時、どのような感情になりましたか?」 母親は言葉に詰まります。そして、絞り出すように「普通ではいられませんでした。ただ、やっぱり娘が一番大変だから。自分がしっかりしなきゃいけないって…」と答えました。 思わず現実逃避したい状況にも関わらず、娘への愛であふれる母の強さ。 それでもまだ娘はホストの沼から抜け出せていません。今も「私だけは特別」と思い続ける娘。 母はこう言います。 「ホストは若い女の子の気持ちの隙をついてお金だけじゃなくて、全部を奪っていく」 なぜこのようなトラブルが相次ぐのでしょうか?取材を進める中で、私達はその理由の一端にたどり着きました。それは“マニュアル”の存在です。
入手した“悪質ホストマニュアル”
取材班が入手したのは、新人ホストがホストクラブで研修を受けた際、その内容をメモしたノート。中にはホストの心得やテクニックが書かれていて、ホスト向けのいわゆる“マニュアル”のようなものです。 「ホストクラブに来る理由 心の空洞を埋める」と書かれていたほか、「マインドコントロール」と書かれた文字は重要であることを意味するのか、赤字で書かれていました。 また、具体的な方法ついては「他店に行けなくする 『好きな担当がいるのに他店に行く女の子ってなんなんだろうね』と姫に言う」と書かれていました。 これはホストの間で「地雷を置く」と呼ばれているテクニックです。客の女性との会話の際にそれとなく自分の「嫌いな女性像」を伝えることで女性の行動を制限し、ホストの理想の女性に仕立てていくのだといいます。 「日常から地雷を常に言葉で発する」 女性からお金を引っ張り続けることができるようにホストはマニュアルの手口を実践しているのです。こうして女性を沼らせていく悪質ホスト。 ホストのために娘が風俗嬢になったという母親に話しを聞くと、恋人関係と思わせて沼らせていく手口の詳細も明らかになりました。