『わたしの宝物』冬月(深澤辰哉)の純粋さが“凶器”に――本当の地獄へ突入する第4話
■“ある人物”の介在がさらなる波乱に 第4話は、そんな冬月がいよいよ動き出していく。美羽は冬月が生きているという事実を知り、さらに“背負っているもの”が大きくなり、正気ではいられなくなるのだが、“背負っているものがない”、冬月は、何も知らないからこそ純粋でまっすぐな行動を見せる。それは「托卵」を介さないドラマであれば、不倫とはいえ、純愛メロドラマのように映ってもおかしくないのだが、その純粋さ、まっすぐさゆえに全ての行動が“凶器”に見えてしまうという、このドラマ独自のエンタテインメントになっている。 今回も冬月が美羽へ再び接触を試みるという前回同様のあらすじで、視聴者は粗方想像できてしまうのだが、その想像をあえてすかした上で、より怖ろしい展開へと導かれていく…。 さらに怖ろしいのは、“2人が再会する”からではなく、“ある人物”が新たに介在することで、さらなる波乱が起こるからだ。その人物とは、先にも述べた通り、各登場人物たちの“背負っているもの”を当てはめていくことで浮かび上がってくる。 その人物とは一体誰なのか、そしてその“背負っているもの”とは一体何なのか。毎回のようにどこまでいっても地獄でしかない展開へ導かれる今作だが、今回のラストを見ると、これまではまだまだ地獄ではなく、その入り口”に立っていただけだった!…と言えるような終わりで幕を閉じる。次回予告も併せて戦慄しか走らない第4話だ。
■ 「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平 おおいしようへい テレビの“視聴質”を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(株式会社eight)の室長。雑誌やウェブなどにコラムを展開している。特にテレビドラマの脚本家や監督、音楽など、制作スタッフに着目したレポートを執筆しており、独自のマニアックな視点で、スタッフへのインタビューも行っている。
「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平