世界の大空へと羽ばたく稀有な才能。神村学園高校・名和田我空が携える「サッカーで生きていく」覚悟 【NEXT TEENS FILE.】
神村学園で過ごした6年間を、陰からサポートしてくれた両親への感謝は尽きない。「寮生活となると心配だと思うんですけど、一番サポートしてくれたのは両親なので、感謝しています。寮のごはんの1日3食に“プラスアルファ”があって、親が手作りの“ゴハンのおとも”になるようなおかずを冷凍して、ジップロックにまとめて送ってくれるので、それが一番ありがたいですね。自分は牛丼が一番大好きです(笑)」。そう言って浮かべた笑顔には、ごくごく普通の高校生らしさが滲む。
中学2年生に進級するとレギュラーポジションを掴んだが、コロナ禍に見舞われたことで多くの大会が中止に。ただ、3年時はキャプテンとエースナンバーの14番も任され、夏の全国大会で見事に優勝。このころになると、名和田の名前は広く知られるようになっていく。
中等部卒業後はそのまま神村学園高等部に進学。1年時から10番のユニフォームを渡されたが、自身の思い描いていたような時間を送れず、思い悩むことも少なくなかったようだ。
「中等部の3年生の時に何度かプリンスリーグに出場させていただいて、そういう意味で高校生と接点があったので、よくコミュニケーションは取れていたんですけど、中学校と高校ではまったくサッカーが違って、結果もなかなか出なかったですね。自分には夢があるので、モチベーション自体は下がらなかったですけど、1年生の時は一番うまく行かなかった1年間でした」
そんな名和田を支えてくれたのは、2人の偉大な“先輩”からのアドバイスだった。
「期待されることは嬉しいことですし、注目されることはありがたいことなんですけど、それと同時にプレッシャーもあって、本当に苦しかった時に、塁さんと師王さんが『1年生の時はオレもそうだったよ』みたいな感じで話してくださって、それが一番自分の心の支えになりましたね。2人は本当に大きな存在でした」
キャプテンとしてチームを牽引していた大迫塁(現・いわきFC)と、エースストライカーとして得点を義務付けられていた福田師王(現・ボルシア・メンヘングラートバッハ/ドイツ)。絶対的な存在だった彼らから送られる激励は、1年生の10番をいつでも勇気付けてくれた。
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