オアシスの名曲TOP40
10位→5位
10位「Some Might Say」(1995年)★◆ オアシス初の全英ナンバーワンシングルとなったこの曲は、ノエルが作ったデモが元になっているが、それはよりスローテンポかつハードで、彼の言葉によれば「もっといやらしい」ものだったという。しかし、『(What’s the Story) Morning Glory?』に収録されたバージョンは、ブリットポップ特有の艶が加わり、ストーンズの迫力とビートルズ的な明るさが絶妙に融合した曲に仕上がっている。歌詞は他のオアシスの曲と同様に意味不明で風変わりだが、「いつか栄光の日が訪れるだろう」という力強いコーラスは、16年に及んだ保守党政権の交代に沸くイギリス国民の心を捉えた。「オアシスが『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出ていた。『Some Might Say』がチャートの首位に立った時だと思う」と、ベテランのイギリス人ジャーナリストで歴史家のジョン・サヴェージは、ドキュメンタリー『Live Forever: The Rise and Fall of Britpop』で回想している。「彼らを見ながら、私ははただ泣いていた。何かが大きく変わり始めていると感じたんだ」。 ―J.D. 9位「Rock ‘n’ Roll Star」(1994年) 1994年の夏の時点で、ギャラガー兄弟のことを知っている人はほぼ皆無だった。しかし、デビューアルバム『Definitely Maybe』の冒頭を飾るこの曲が終わる頃には、彼らはロックスターになっていた。オアシスの歴史の幕開けとなった同曲は、このバンドの絶対的なルールを定義した。ビッグなリフ、日付が変わっても覚えていられるほどシンプルな歌詞、そして不思議なほどの本物感。光り輝くスターになりたいというリアムの叫びは無数の人々の共感を呼び、この曲は30年間にわたってカラオケやロードトリップのプレイリストの定番曲であり続けている。鍵となる言葉は「今夜」だ。この曲を大音量で流している間だけは、あなたもまたスターなのだ。―S.V.L. 8位「The Masterplan」(1995年)◆ 「これは俺が書いた中で最高の曲だと思う」。「Wonderwall」のB面に収録された、ファンの間でも人気の高いこの曲について、ノエル・ギャラガーは『NME』にそう語った。オーケストラの伴奏をバックにノエルが歌い、結局のところ人生には道筋などないと主張するこの壮大なバラードは、間違いなくギャラガー兄の代表作だ。「この曲は君の人生を要約している」と、彼はベスト盤『The Masterplan』のライナーノーツに寄せている。「わかってるのは、俺たちが何も知らないってことだけだ」。アメリカのファンの大半が初めてこの曲を聴いたのは、リアムがドタキャンしたことで有名な1996年の『MTV Unplugged』でノエルが披露した時だったはずだ。―J.H. 7位「Champagne Supernova」 (1995年)★ チャペル・ローンの「Red Wine Supernova」以前、アルコール飲料に関連するスーパーノヴァな曲といえば、「Champagne Supernova」だけだった。『(What’s the Story) Morning Glory?』の最後を飾るこのブリットポップのアンセムについて、ノエル・ギャラガーは「おそらく俺史上最もサイケデリックな曲」と語っている。それはつまり、彼が『Sgt. Pepper』を聴いて「Lucy in the Sky With Diamonds」に影響を受け、空についての名曲を書こうとしたということだ。このパワーバラードは、ザ・ジャムのポール・ウェラーによる泣けるソロと、「ゆっくりと廊下を歩く/大砲の弾よりも速く/俺たちがハイになっている間、君はどこにいたんだ?」というトリッピーな歌詞も印象的だ。あなたがこの曲の意味について考えたことがあるとしたら、それはノエルも同じだ。「歌詞のなかには酔っ払ってた時に書いたものもある」と彼は1995年に『NME』に語っている。「意味はその時の気分次第で変わるんだよ」。 ―A.M. 6位「Cigarettes & Alcohol」(1994年)★◆ リアムが得意とする「サンシャァァイン」というフレーズの歌い方がジョニー・ロットンの冷笑を思わせるせいもあるだろうが、「Cigarettes and Alcohol」はパンク史上最も衝撃的でシニカルな曲群を思い起こさせる(チャック・ベリーとT・レックスのリフのパクリ方も一要因だろう)。セックス・ピストルズの「No Future」とは異なり、ここでは未来がはっきりと描かれているが、そこに叶わない夢やひどい仕事(見つかればの話だが)しかないのなら、「いっそのことコカインでもやっちまえ」というわけだ。チープな方法で命を縮めるスリルを祝福するそのアティテュードはまさにNo Futureだが、この曲は誇り高き自己破壊によって「今」を謳歌するという彼らのステートメントだ。その生き方は健康的でも健全でもないが、ロックしてしていることだけは確かだ。 ―J.B. 5位「Acquiesce」(1995年)◆ これをオアシス史上最高のB面曲とする見方には強く賛成だ。『(What’s the Story) Morning Glory?』のセッション時に録音された「Acquiesce」は、結果的に1995年発表の同アルバムには収録されなかったが、「Some Might Say」のUK版シングルのB面としてリリースされた。1998年のコンピレーションアルバム『The Masterplan』にも収録されたこの曲は、時代を超えて多くのファンから愛され続けている。彼らにとって、これはリアムとノエルの究極のコラボレーションだ。弟が皮肉たっぷりにヴァースを歌い上げると、兄は「俺たちはお互いを必要としている / お互いのことを信じている」という団結を呼びかけるコーラスで応じる。普段はいがみ合ってばかりいた2人だが、「Acquiesce」では完璧なハーモニーを奏でている。 ―J.H.