投資の神様「ウォーレン・バフェット」の功罪。他の投資家と何が違ったのか【プロの投資家が解説】
長期投資家の目的は「いい世の中をつくること」
澤上 実は俺は、ウォーレン・バフェットさんとは違うの。バフェットさんは投資家としては素晴らしい。投資という意味においては、神様。だけど、リーマン・ショックの時に、あの人と自分との違いがはっきりと出たわけ。彼はゴールドマン・サックスを助けちゃったよね。 渡部 ああ、そうですね。 澤上 金融バブルの張本人で、めちゃくちゃやりまくった会社を、なんで助けないといかんのか? 俺だったら、あんなの、潰れていいだろうと思った。世の中の役に立つどころか、世界経済にえらい迷惑をかけた。 ところがバフェットさんは、自分が経営する会社「バークシャー・ハサウェイ」に超有利な条件で50億ドルの投資を行った。そこでわかった。バフェットさんは長期投資家じゃないなと。 投資家としては素晴らしい。アイデアがすごくて、投資の収益機会をうまくつくり出しているから素晴らしいけれども、長期投資の目的は、いい世の中を、将来を、つくっていくことなんよ。人々の将来の生活をつくっていくことなの。だから我々のような本物の長期投資家というのは、人々の生活から一歩も離れないでやるわけね。 澤上 篤人 公益財団法人 お金をまわそう基金 代表理事 渡部 清二 複眼経済塾 代表取締役塾長
澤上 篤人,渡部 清二
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