「はやぶさ2」小惑星に到着 初代「はやぶさ」との違いは?
●小惑星到着
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の発表によると、はやぶさ2は6月27日前後にリュウグウに到着する予定です。 リュウグウの直径は約900メートルと推定されていますが、到着はその上空20キロを目指します。到着したら、タッチダウン(着陸)する場所などを決めるため、まず小惑星の地図づくりに取り組みます。高度を下げながら上空から観測を行います。
地表での観測は、初代が搭載していた小型ローバー「ミネルバ」の後継にあたる「ミネルバ2」を投下して行います(初代のミネルバは着陸に失敗し、今も宇宙空間を漂っています)。ミネルバ2は計3台あり、大きさは直径18~15センチ×7~16センチ程度。ローバーと言っても、初代と同様タイヤはなく、跳ねて移動します。このほか、小型ランダー「MASCOT」(1度だけジャンプで移動可能)も搭載しており、鉱物調査や表面温度の計測など表層物質の探査を行います。
●サンプル採取
リュウグウに着陸して行うサンプル採取は、はやぶさシリーズのメーンミッションです。探査機の下部についたノズルのような筒(サンプラホーン)を小惑星に立て、地表に弾丸を打ち込んで宙に舞う砂やチリを採取する方法はほぼ同じです。はやぶさ2はこれに加えて、ライナと呼ばれる重さ2キロの銅の塊を秒速2キロの速度で小惑星表面に打ち込み(衝突装置)、直径数メートルの人工クレーターを生成。そこに着陸して物質を採取することにも挑みます。 初代は小惑星表面だけの採取でしたが、はやぶさ2はそれだけでなく、人工クレーターをつくり出すことで地表の下にある物質まで持ち帰るのが大きな違いです。人工クレーターを生成する際は、爆発や砂の飛散からはやぶさ2の本体を守るために退避するという困難な技も実施します。 さらにピンポイントでタッチダウンを行うため、着陸の際に目印として使うターゲットマーカは3つから5つに増やしました。
●地球への帰還
はやぶさ2が地球に帰還するのは2020年末の予定です。ミッションスケジュール(6月7日更新)によると、今年9月から来年7月にかけて、タッチダウン調査を3回、ローバー投入を2回実施。来年11~12月ごろ、リュウグウを出発し、地球への帰路に着きます。軌道の関係で行きが3年半かかったのに対し、帰りは約1年で済みます。 ただ初代と違って地球に帰還する際、「ぼく、がんばったよ」と言いながら大気圏に突入して燃え尽きる予定はありません。もともと初代も突入させる予定はなかったのですが、故障のため仕方なく大気圏に突入させたのでした。 はやぶさで2は、サンプルを搭載したカプセルだけを切り離し、地上で回収する計画です。